【及川徹】これを愛と呼ぶなら。#9

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A「アァ〜…気持ち悪い…」

国見「ちょっと…ちゃんと歩いてくださいよ」



俺の腕を掴んでよたよたと歩くAさんを、

家まで送った。


鍵を借りて家に入って。


A「うぎゃ」


Aさんをソファに寝かせて、

キッチンから水を取ってきて飲ませた。


A「国見ちゃんごめんねぇ…」


飲み終わったコップを俺に手渡して、

頭をゆらゆらしだした。


国見「…風邪ひきますよ」


肩を掴んでゆさゆさ揺すってみるけれど、

Aさんは俺の胸に倒れ込んで、寝息を立て始める。


国見「…ッチ」


Aさんを抱きかかえて、

心の中で謝罪して部屋に入った。


ベッドに寝かせて、布団をかぶせると、

こっちの気なんて知れず、すやすやと眠りだす。


ベッドの開いたスペースに腰掛けて、

Aさんの頭を撫でた。



ふわふわとした癖っ毛の栗色の髪を指ですくうと、



A「んぅ…」



もぞもぞと動いて顔をしかめた。




部活引退して、それなりに受験勉強してC大に行ったら


花巻『あれっ』

A『国見ちゃん？』


Aさんと花巻さんと、白鳥沢の白布さんがいて。


4人でよく一緒に遊ぶようになって。



Aさんと及川さんが、付き合ってもう4年目。



それなりに惚気も聞いてきたけど、

同じくらい愚痴も聞いてきた。




そんな中で、俺の気持ちが再熱するのも、


まあ、なんらおかしいことではないと思う。








国見「…俺にしときゃいいのに」







ぽつりと呟いた声は、

Aさんの部屋で虚しく響いた。

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