【国見英】これを愛と呼ぶなら。#9

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ショッピングセンターに行って、

Aさんの買い物に付き合った。


国見「Aさんコレ着てよ」

A「また⁉」


と言うより、Aさんが俺の着せ替え人形と化した。


似合いそうだなー、と思って

次から次に服を渡して。


結局全部似合うし着こなすし、可愛いんだけど、


どんな服でも似合うからだんだん楽しくなってきた。



「彼女さん何着てもお似合いですよねー」



彼女が試着室に入っているのを待っていたら、

店員に話しかけられた。



国見「まあ、自慢の彼女ですね」



なぜか店員が顔を赤らめていたが、

丁度Aさんが試着室から出てきて。



A「このワンピースかわいー！」

国見「おお、」



俺の前でくるくると回って見せるAさんは、

ワンピースが気に入ったみたいで随分とご機嫌だ。



ギャザーが入っている、くしゅくしゅした素材の

白のワンピース。



彼女の柔らかな栗色の髪が、よく映える。



国見「気に入ったんですか？」

A「うん！これ気に入ったー！」


国見「すみません、コレこのままください。」



Aさんも店員も、一瞬固まって。


店員がまた、顔を赤くしてハサミを持ってきて、

彼女の服のタグを切った。


A「ちょ、私自分で払うよ！」


Aさんの制止をそのままに、

会計を済ませた。


元の服を紙袋にまとめてもらって、

Aさんの手を引いて歩く。





国見「…バイト始めて、この前初めて給料もらったんで」





初給料は、Aさんに使いたいなって。




そう付け加えると、

真っ赤な顔で俯いてもごもごと礼を言った。

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