【国見英】これを愛と呼ぶなら。#9

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______


国見「これ、開けていい？」


小さめの深緑の紙袋。


Aさんが頷いたのを確認して、

丁寧に真ん中のシールを剥がす。





国見「______あ、」






中から出てきたのは、

折りたたみ式のダークブラウンの皮財布。



俺が、高3からずっと同じ財布を使ってて。



財布が欲しいと言ったことはなかったけど、





______…ちゃんと、見ててくれたんだ






A「アキくんの財布、そろそろ替え時かなーって」



ニコニコして言うAさんの腕を引いて、

言い表しようの無い感情を胸に抱えて抱きしめた。




A「椎名サンタのプレゼント、気に入って貰えました？」






国見「______…すき」







Aさんの肩に顔を埋めてそう言うと、





Aさんが、ふふ、と笑って俺の頭を撫でた。


小さな手で撫でられる感覚が心地よかった。




国見「…Aさん、目閉じて」


A「はーい」




嬉しそうな顔で目を閉じたAさんから離れ、

ベッド脇の小机に置いていた、小さな箱を取り出した。






______…喜んで、くれるかな








心臓が脈打って、呼吸が乱れる。






国見「…いいよ」








Aさんが、目を開けた瞬間に。









彼女の唇にキスを落として、









左手をさらって、指輪をはめた。

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