【国見英】これを愛と呼ぶなら。#9

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カフェのバイトが終わって家に帰ると、

国見ちゃんの靴が玄関にあった。



A「ただーいまー」



玄関先から呼んでみるけど、返事はない。


不思議に思ってリビングを覗くと、

ダイニングテーブルに盛大に教材を広げて、


国見ちゃんが机に突っ伏していた。



A「ふふ…」



横からかすかに見えるほっぺを指でつつくと、


国見「んー…」


と小さく声を漏らした。




A「かわいい…」




ブランケットを肩にかけてあげて、

夜ご飯の準備をする。


今日の夜ご飯はさっぱりと冷やし中華。


準備をしていると、リビングでガタッと音がして。

国見ちゃんが起きたことが分かった。



ご飯食べるー？と顔を覗かせて聞くと、



国見「…Aさん」

A「なにー？よんだー？」



国見ちゃんが机に体を倒したまま、

眠そうな目を擦って名前を呼んだ。


手を止めて言われるがまま国見ちゃんの元へ行くと、




国見ちゃんは手を大きく広げて、





国見「ん」






と言った。





何事かと首を傾げると、





国見「頑張ったから…ぎゅーしてください…」





と言って腰回りに手を回してきて、

私の胸元に、ぽふんと顔を埋めた。




A「眠いのー？笑」




普段身長が高くて触ることのできない艶々した黒髪を

ぽふぽふ撫でると、だんだんこっちに体重をかけてきた。




A「チョットもっかい寝ないでよ⁉」

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