【国見英】これを愛と呼ぶなら。#9

【聖なる夜】 ページ18

______


月日は流れ、俺は大学3年になった。



そんな今日は12月25日。



街を出歩けばカップルたちが手を繋いで腕を組んで。


クリスマスソングが街を賑やかし、

イルミネーションが煌めいている。



そんな聖なる夜に、



金田一「おい、いい加減機嫌直せってー」



俺の隣にいるのはAさんじゃなくてコイツなのだ。



2ヶ月前からプレゼントの準備して、

どこにデートしに行こうか考えて、


それなりに俺は浮かれてたっていうのに、



A『アキくんごめんっ ゼミ旅行入っちゃった…』



である。



金田一「しょーがねーだろー？

　 もう４年生だし、卒業旅行なんだろ？」


国見「分かってっけど…！」





なんでクリスマスにゼミ旅行なんて被せんだよ！！




去年、Aさんの就活準備が忙しかったから、



まともにデートも出来なかったし、

クリスマスの日に会うのも我慢して。



だから今年こそ、

2人でクリスマス、過ごしたかったのに。



家にいると、


「何？あんたフラれたの？」


と母親がうるさいので、


仕方なく金田一を呼んだのだ。

(彼女いなさそーだと思ったらビンゴだった)



金田一「んで？どこ行くよ。

　 場所考えねーとカップルだらけだぞ」



国見「あー…」




金田一にそう言われ、あたりを見渡すと、


この場所が、Aさんのバイト先の

近くだと言うことに気づいた。



国見「…んじゃ、あそこ」



この際カップルだらけでもなんでもいい。


Aさんのバイト先である、

カフェを指差した。

…2→←…8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す