【国見英】これを愛と呼ぶなら。#9

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レストランに1人、待ちぼうけ。

人を待ちながら先にカシスオレンジを嗜む。



18時に店の予約をしていて、現在19時。



全額キャンセルになるとこだったから、

先に飲んでやった。



食べ飲み放題3000円。



A「すみませーん、ゆずチューハイ１つー」



飲み終わったカシスオレンジのグラスをテーブルの端に置く。





______…あれ、私これ何杯目？






「A、スマン」







ゆずチューハイが運ばれてくるとほぼ同時。



ふら、と宮治が目の前に現れた。




A「おーそーいー」


宮治「スマンな、大泉さんに捕まってもーて」




治は、お前もう酔うてるやろ？と言いながら

ビールと食べ物をさっさと注文していった。





治は兵庫で大学生やってるけど、

今や私と同じで、学生生活の傍らモデルのバイトもしてる。


大泉さんの編集する男性向け雑誌。


たまに私が彼女役でそっちに呼ばれることもあれば、

治が彼氏役で女性誌に呼ばれることもある。



私たち2人ともがバレー経験者で、

大泉さんもバレーファン(推しは宮侑と影山だそう)。



だからなのか最近の雑誌の系統が、

バレー雑誌に近くなってきている気がするのだが、


それでも売り上げが伸びていると言うのだから不思議だ。




A「とりあえず、乾杯しよっか」


宮治「せやな」



治が運ばれてきたビールを持ったから、

私もゆずチューハイのグラスを手に持った。






A「「おつかれさまでした」」
宮治







2人のグラスが、チン、と小気味よい音を立てた。

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