【国見英】これを愛と呼ぶなら。#8

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西谷「あっA！」


部活終わり。


体育館の端に座ってノートをつけていると、

西谷に呼ばれた。




A「なにー？」



ノートを書く手を止めて、顔を上げると、

西谷が顔を覗き込んでくる。



西谷「今日大地さんが坂ノ下で

　 肉まん奢ってくれるって！いくだろ！」



ちらりと時計を見ると、

時刻はすでに19時半を回っている。



ここから駅まで、歩いて15分。

電車がスムーズに来たとして、最寄り駅まで30分。





______…白鳥沢からは、電車で1時間半。






A「…今日は用事あるからすぐ帰るねー」

西谷「？わかった！」




残りは家でやろうと、ノートを片付けて、

着替えるために更衣室へ。



汗拭きシートで入念に汗を拭いて、

シャンプーの香りのボディミストを一振り。



姿鏡で制服のリボンを正して、

髪型を正して、


薄く色づくピンクのリップを塗る。









A「＿＿…よし、」









____________…大丈夫、だよね







谷地「あ、おつかれさまです！」

A「おつかれ、またねー！」



ちょうど入ってきたやっちゃんと入れ替わりに

勢いよく更衣室から飛び出して。







高鳴る心臓をそのままに、駅に向かって走り出す。



運良くすぐきた電車に乗って、

乗り換えなしの30分。



改札を抜けて、家まで5分。





マンション前の柵に寄りかかる、

好きな人のシルエットが目に映る。






A「国見ちゃん！」

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