【黒尾鉄朗】これを愛と呼ぶなら。#8

【変わりゆく関係】 ページ23

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腕時計で時刻を確認すると、

深夜の1時を回っていた。



黒尾「しんどい？、」



まあ、しんどいに決まってる。

全身麻酔を打たれて、4時間にわたる大手術。


Aは小さく首を横に振ると、

消えそうな声で、呟いた。




A「……た…い…」




黒尾「んー？」





A「ス……い……」





口の隙間から漏れる声をなんとか聞き取ろうとするも、

なんと言っているのか全くわからない。




黒尾「ごめん…もっかい言って…」






口元に耳を寄せる。





すると、






Aがゆっくりと両手を動かして、

俺の頬を挟んだ。





黒尾「？」





僅かな力に手繰り寄せられるように顔を近づけると、





軽いリップ音と共に、頬に柔らかい感触がして。






黒尾「え」






Aが、ふんわりと微笑んで。






今、キスされたのだと理解した。



おそらく赤くなっているであろう顔はそのままに、

頬を抑える。



Aは再び、すやすやと寝息を立て始めていた。





黒尾「⁉…⁉」





Aを起こさないように、

ベッドの端に顔を埋めて口元を押さえた。









______…なに、いまの？

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