【及川徹】これを愛と呼ぶなら。#8 (ページ18)

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A「んまぁ」

及川「うわ、またそんないっぱい取ってきて…」

寒さに耐えかねて、目的だったカフェに避難。

『期間限定のケーキバイキングに行きたい』

と言われたのだが、以前友達と行こうとしたら

バレンタインだからカップル限定、だったそうで。

カップル限定だからか

個室風にそれぞれの席はカーテンで仕切られていた。

俺は特別甘いものが好きなわけじゃないけど、

Aは、その細い体のどこに入るんだと言うくらい

さっきからケーキをとってきている。

A「あ、これおいしー」

及川「どれ？」

Aは、コレー、と

りんごのコンポートと生クリームの乗ったタルトを指さした。

及川「ちょーだい」

あ、と少し口を開くと、

Aは生クリームをたっぷりつけて口の中に入れてくれた。

りんごの酸味と、シャキシャキの食感、

甘いジャムとレモン風味の生クリームがよく合う。

及川「ん！うまー！」

Aは、でしょー？、とニコニコ笑っていた。

なんでお前が作ったみたいになってんの、とデコピンして、

このケーキを取りに行こうと席を立った。

ケーキを皿に乗せて帰ってくると、

Aがパイシューをくちいっぱいに頬張っていて、

口元に生クリームがついていた。

A「おかえりー」

そっと顔を近づけて、

Aの口元についた生クリームを舐める。

及川「生クリームつけるなんてお子様だねぇ？」

と言って笑うと、

噴火したみたいに顔を赤くしていた。