５２話 ページ8
裕太said
「男子バレー部、体育館でやってまーす！」
今日から、仮入部期間が始まる。
どの部活も、１人でも多くの１年生を獲得するべく必死だ。
強豪チームなので毎年一定の部員は確保できる俺たち男バレだが、
部員が多いに越した事はないので、こうして廊下で呼び込みをしている。
「男子バレー部、体育館でーす！」
「ねえねえ！」
不意に、聞き覚えのある声が肩をつつきながら声をかけてきた。
「演劇部、興味ない？」
振り返ると、そこにいたのは挑発的な笑みを浮かべた幼なじみ。
「･･････俺は１年生じゃねーよ。」
「あ、ごめん！ちっちゃいから間違えちゃった！」
こいつ･･････、絶対わざとだ。
「ちっちゃくねーし！これでも13cm伸びたんだからな！」
「へー、そんなに伸びたの。」
「見てろよ、もうすぐ見下ろしてやる！」
「ふふ、楽しみだなー。」
「つーか、お前こんな所にいていいのか？仮入部期間だろ。」
「それが、１年生が１人も来ないの！」
「マジか。」
「だから、２年生は色んな所に散って呼び込みしてこいって部長が。」
「演劇部も大変だな。」
一見、何も変わっていないように見える俺と菜々花の関係。
でも、俺は俺なりに、たぶん菜々花も菜々花なりに色々考えて、今の俺達がある。
菜々花に告白した、１年生の夏。
あの時、菜々花が如月の事を特別に思っているのは正直わかってた。
だから当然、フラれるのもわかってた。
勢いで気持ちを伝えてから返事が帰ってくるまでの数秒間で、
ビンタされてもう二度と口を利いてもらえなくなる覚悟もした。
でも、菜々花から返ってきたのはキツイ言葉とビンタではなく･･････。
�爐◆△△里諭∋筺∈５い鼎い燭鵑世韻鼻�好きな人が出来たみたいなの･･････。��
�爐世�ら、その、ごめんなさい。��
�爐任癲△┐辰函⇒蟻世�良かったら、これからも幼なじみでいてほしい･･････です。��
まさかの�猴弔覆犬濛街圻瓩凌修圭个世辰拭�
「１年生来てるかな。」
「１人位いんじゃねーの。」
「だといいなー。」
菜々花の事、もう好きじゃないのかと聞かれればそうじゃない。
だけど、今までとは何かが違うというか、たぶん吹っ切れたんだと思う。
でも、もし如月が菜々花を泣かせるような事したら、手加減はしないつもりだ。
「裕太？何か顔怖いよ。」
「･･････何でもねえ。」
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作者名：鈴蘭姫 x他1人 | 作成日時：2017年3月19日 10時
