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５６話 ページ12
桜哉said
「･･････。」
「･･････。」
ステージに、楯野と２人きり。
この状況を意識したが最後、俺はもう緊張でいっぱいだ。
２人での会話は毎日の事だが、空間に２人きりというのはなかなか無い。
「ファイトー！」
「もういっぱーつ!!」
幕の向こうから聞こえてくる威勢のいいバレー部の声が、俺たちの静寂を引き立てる。
「･･････。」
さっきまでニコニコと喋っていたのに、何故だか黙ってしまった楯野。
その理由はこの状況を意識したのか、それともただの偶然か･･････。
もし前者だとしたら、それは期待を抱いてもいいのだろうか。
少なくとも、俺の事を男として見てくれているんだと思っていいのだろうか。
「ん？どこ行くの？」
悶々と考えていると、視界の隅で楯野が立ち上がるのが見え、反射的に声をかけた。
「教室に忘れ物しちゃったみたいだから、取りに行ってくるね。」
「迷子になんなよ。」
「ご心配どうも！」
「あ！桜哉先輩見つけましたよ〜！」
「え？」
楯野とほとんど入れ違いに、誰かがステージに入ってきた。
背が小さくて、髪を２つに結んでいる。どこかで見たような気もするが、誰だ？
「好きです！付き合ってください!!!!」
「･･････。」
「･･････。」
「････････････は？」
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作者名：鈴蘭姫 x他1人 | 作成日時：2017年3月19日 10時
