30.『とある大女優とトリプルフェイス』 ページ31
「何ですか、それ」
ナビシートに座る、ビジネスパートナー的存在の美女を横目に安室はスマホからぶら下がる見覚えのあるストラップを指差して言った。
「あら、知らないの?"もちうさ"というそうよ。可愛いでしょう?あげないわよ」
指差されたストラップを見て、彼女はにっこりと笑う。それは、この組織に入って中々見ることのない、心の底からの嬉しそうな笑顔だった。
「何でそうなるんですか。貴方、そういうものに興味ありましたっけ?」
いいえと首を振り、そして彼女は眼を伏せる。それは、物思いに耽っていた。それはとても絵になっていた。
「私の宝物よ。とても、大切な人からの贈り物なの」
彼女はそれだけ告げて、早く出せと安室に命令した。その言葉に、セルを回し、アクセルを踏んだ。
公道を走りながら、ベルモットのつけたストラップを以前何処で見たのかを思い出した。
――海月先生の、一番好きなマスコットだ
スマホにぶら下げたストラップを以前、一度だけ見たことがある。その後、彼女はバックにつけたらしいが。
思わぬ繋がりに、嫌な胸騒ぎを感じた。
「へぇ。貴方にも大切な人がいたんですね。どんな人ですか?」
安室の言葉に、ベルモットは内緒としか言わなかった。
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黒井蜜柑(プロフ) - トめAと@とまと:カド松さん» ありがとうございます。 (2022年5月17日 22時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@とまと:カド松(プロフ) - はい、マジ好きです応援します (2022年5月17日 21時) (レス) id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - トめAと@とまと:カド松さん» それは凄く嬉しいです。愛梨ちゃんがいてこそのこの作品なので是非とも応援してください。 (2022年5月17日 21時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@とまと:カド松(プロフ) - 夢主っぽいのがいるときいて何だ地雷か?って思ったらバリタイプだだった。 (2022年5月17日 21時) (レス) @page49 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - 目覚ましさん» そう言って、いただいて幸せです! (2018年12月14日 16時) (レス) id: 16fd2908cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒井蜜柑 | 作者ホームページ:http://minanami2.naho.ayaka.
作成日時:2018年11月10日 22時