第百六十三話 ページ5
樋口「(そう、これは任務!断じて個人的興味ではない!断じて!)」
そう思いながら樋口は双眼鏡を取り出し、辺りを見渡した。
樋口「確か、昨日はこの辺に…」
辺りを見渡していると、見たことがある三人の顔に目を丸くした。
樋口「(探偵社!?)」
そう確信すると樋口は身を屈め、あちらに気付かれないように身を隠した。
樋口「(それに、あそこにいるのは先輩を幾度も殴り飛ばした憎き人虎!それと、先輩の師である太宰治の女もいる!?)」
樋口「(だが…)」
樋口は手すりをぎゅっと握る。
樋口「(今、探偵社とあの女と事を構える訳には…!)」
…
樋口「探偵社との敵対を禁じる?」
エリスが服を選んでいる間、森鴎外は樋口に探偵社との敵対を禁じると命じた。
森「当面はね」
樋口「しかし、対組合同盟はもはや解体済、とすれば商売敵である探偵社との再衝突は不可避かと…」
森「不服かね?」
樋口「い、いえ!決して」
森の冷たい目に樋口は息を呑む。
そんな樋口を見て、森はフッと笑う。
森「これでも首領としていろいろ考えている。信用しなさい。」
樋口「は、はい」
また、別の日。
中原「おい樋口。」
廊下を歩いていると、背後から中也に声をかけられた。
樋口「中原さん、お疲れ様です。」
中原「首領から聞いたぜ、探偵社との敵対を禁ずるのを」
樋口「正直言って不服です…中原さんはどう思いますか?」
中也に本音を言ってしまった樋口。
だけど、中也も太宰を殺したいほど嫌いと言っていたのを樋口は思い出した、だから、中也もこの事には反対ではないかと少し期待していたが…
中原「ん?…まぁ、いいんじゃねぇの?」
樋口「え?」
中原「確かに、俺は探偵社にいる太宰が殺してぇほど嫌いだ。だから、一刻も早く探偵社を潰してやりてぇ気持ちは分かる。けどよ…」
中也はそう言うと少し赤くなりながら誰にも聞こえないよう小さく答えた。
中原「じ、実はよ…探偵社に気になる女が出来ちまって…そいつの事が今でも頭の中から離れなくて…」
目を逸らしながらいう中也を樋口は目をぱちくりさせた。
樋口「あの、もしかして探偵社にいる太宰治の女の事でしょうか?」
太宰治の言葉が出てきた途端、中也は照れ顔を怒りの顔に一変させた。
中原「まだ、アイツの女じゃねぇよ!!!!」
樋口「す、すみません。ということは、中原さんは太宰…ゴホンっ、あの女の事が好きという事でよろしいんでしょうか?」
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瑠璃(プロフ) - 文ストの夢小説が読みたいです!パスワード教えていただけませんか? (10月20日 12時) (レス) id: 44da53a54c (このIDを非表示/違反報告)
Чуя Накахара милый(プロフ) - パスワードを教えていただけないでしょうか?とても面白く行きから読見たいです! (10月18日 1時) (レス) id: 60d9cbf677 (このIDを非表示/違反報告)
ばるたん - パスワード教えてください!1からみたいです!夢主が好きすぎです!宜しくお願いします! (2023年2月26日 11時) (レス) id: 63beeaa7f4 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - パスワード教えてください! (2023年1月20日 20時) (レス) id: edcc1c0605 (このIDを非表示/違反報告)
ただのバカです - パスワードッッ教えてください···。最初から見ないと、なんというか満足感が···。宜しくお願いします···。 (2023年1月16日 22時) (レス) @page25 id: 37480b1f74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メット x他1人 | 作成日時:2018年3月13日 22時