もらいに行く ページ39
「料理は刃物が怖くて出来ない。だから冷凍食品とかそのままでも食えるやつばっかだ。後、洗濯機は買ってから２年近くになるが説明書見なきゃ動かせない。……何でだろうな？」
「私ニハ分カリマセン」
「ははは、俺にも分からないんだ。誰も分からないだろうな」
ムーンに手渡されたスプーンを使ってスープを口に運ぶ。
やっぱり美味しい。スーパーとかで買ってきたのよりずっと美味しかった。
「美味いな」
「アリガトウゴザイマス」
あっという間スープはになくなってしまった。
空になった鍋を持って立ち上がる。
「ムーン。出掛けるぞ、さっきもらった住所のところに」
「マダ寝テイタ方ガイイデス」
「いや、早く行かないと忘れるし、早く欲しい、それから、お前だけじゃ寂しいからな」
「ドウイウコトデスカ？」
「……いいか行くぞ。リュック持ってきてくれ」
そう言うとムーンは黙ってリュックを持った。
空になった鍋はキッチンの流し台に置いて、窓とかがしっかり閉まっているか確認した後、渡された封筒を持って家を出た。
ちゃんと鍵がかかったのを確認し目的の場所へ歩き出す。
辺りは夕焼けで真っ赤に染まっていた。こういう時は気味悪がって誰も出歩こうとしないから、出歩くにはちょうどいい時間だ。
「リュック」
「ドウゾ」
ムーンからリュックを受け取って背負う、そしてリュックの代わりに封筒をムーンに渡した。
「道案内してくれ、今大体の方に向かって歩いてるからこっからどっちに行ったらいいか教えてくれ」
「了解シマシタ。ソコノ道ヲ左ニ曲ガッテクダサイ」
「はいよ」
言われた通りに左に曲がる。
歩く度に、がらがらカタカタとリュックの中身が擦れたりぶつかったりする音がする。近い内に中身を整理しなければ。
「正面ノ横断歩道ヲ渡ッテクダサイ」
「あれだな。分かった」
１時間ほど歩いてすっかり日も暮れて真っ暗になった頃、ようやく目当ての場所に着いた。
「うわぁ……。すごい高いな」
「コノ地区デ一番高イまんしょんデス」
「そうなのか、知らなかった」
とても大きくて立派なマンション。自分が今住んでいるアパートとは比べ物にならないくらい豪華な建物だ。
こんなところに住んでいるなんて、相当金持ちなんだろう。別に金に興味があるわけではないが、そんな風に思った。
「それで、どうやって入る？」
入り口はオートロックでこのマンションの住人しか入れないようになっていた。
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慈雨 - この壊れっぷりがたまらないです！本当に大好きです！頑張って下さい！ (2018年8月1日 21時) (
レス) id: 15d4cc16a2 (このIDを非表示/違反報告)
ネギトロ@38(プロフ) - コメント失礼します。とても引き込まれ、次へ次へと読み進めてしまいました。更新、頑張ってください (2018年6月3日 9時) (レス) id: 367ddc4bce (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - ピペットくんのぶっ飛び具合、たまりませんヾ(´∇｀)ﾉ それに、駒込ピペットから名付けるなんて羨ましいほどのセンスの高さ！素敵です！これからの展開も、楽しみしています！ (2018年5月25日 3時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衛生兵079 | 作成日時：2018年5月13日 20時
