検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:34,937 hit

生きているのか、死んでいるのか ページ17

一階に降り、リビングまで少女を引っ張っていく。

 リビングでは家族が静かに座っていた。

「どこに座る? うーん。やっぱ空いてるとこがいいか? あ、俺が座るところがなくなるなぁ……。どうする?」

 少女の方を見ると、少女は目を見開いて固まっていた。

「ん? どうしたんだ? 壊れたか?」

 呼び掛けても反応がない。本当に壊れてしまったのだろうか。

「おーい。おいって」

「……死ンデイマス。自然死デハナク他殺デス」

 少女が口を開いた。壊れてはいないようだったので少し安心した。

「ん? どういうことだぁ?」

「殺サレテイマス。私ノ製作者トソノ家族ガ何者カニヨッテ」

「お前のじゃなくなったのか?」

「貴方ハ何ヲ言ッテイルノデスカ?」

「は? 俺もお前が何を言ってるか分からねぇ」

「ダカラ……」

「いいから座れって」

「アッ……」

 また少女の手を引っ張り、無理矢理空いた席に座らせる。

「アノ…………」

「あぁ、俺はここに座るから心配しなくていいぞ」

 自分は娘を自分の膝にのせ、娘の席に座った。

「ほら、大丈夫だろ? あぁ、やっぱお前軽いなぁ。もうちょっと食べた方がいいんじゃないか?」

 娘の髪を撫でる。柔らかくて細くて、いい匂いがした。

 幸せだ。

「ドウシテ、笑ッテイラレルノデスカ?」

「え? どうしてって……、家族に囲まれて幸せじゃない訳がないだろ」

「貴方ハココノ家族ジャナイ。ソレニ、恐ラクデスガ彼ラヲ殺シタノハ、貴方デハナイノデスカ?」

「何言ってるんだよ、こいつらだってこんなに幸せそうじゃねぇか。だから、あの、ほら、俺は……」

「殺人ハ法律ヤ道徳的ニモ肯定サレルモノデハアリマセン。必要ニ応ジテハ警察二……」

「黙れ」

「何故?」

「分からない。俺は何やってるんだ?」

 思考がぐにゃぐにゃになって、何をどう考えればいいか分からない。

 この家族は自分のものだから、幸せだ。

 動かなくなる前は、もっと幸せそうだった。

 だから、えっと。

 ほら。

 あれだ。

 あれって何だ。

「顔色ガ悪イデス。大丈夫デスカ? 私ハ警察二通報スルツモリハナイノデ大丈夫デスヨ? マダ、貴方ノ話ヲ聞カセテモラッテイマセンノデ。私ハ法ヲ守ルコトヨリモ、好奇心ノ方ガ優先サレルノデス。ソレニ……」

 急に笑うのをやめて黙った自分を心配したのか、少女は何故かたくさん喋りだした。

「いいんだ、別に」

もういらない→←初めて見る色



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (47 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
31人がお気に入り
設定タグ:オリジナル , 殺人鬼 , 小説 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

慈雨 - この壊れっぷりがたまらないです!本当に大好きです!頑張って下さい! (2018年8月1日 21時) (レス) id: 15d4cc16a2 (このIDを非表示/違反報告)
ネギトロ@38(プロフ) - コメント失礼します。とても引き込まれ、次へ次へと読み進めてしまいました。更新、頑張ってください (2018年6月3日 9時) (レス) id: 367ddc4bce (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ピペットくんのぶっ飛び具合、たまりませんヾ(´∇`)ノ それに、駒込ピペットから名付けるなんて羨ましいほどのセンスの高さ!素敵です!これからの展開も、楽しみしています! (2018年5月25日 3時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:衛生兵079 | 作成日時:2018年5月13日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。