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初めて見る色 ページ16

どうやらあの父親は、この少女に赤のデータをインプットしてやらなかったらしい。

「あしっど・れいん……本人デアルコトハ間違イナイヨウデスネ。でーたト一致シマス。シカシ、ソノ目ハ初メテ見ル色デス」

 すると少女がぴったりくっつきそうなほど近くまで寄って来て、背伸びをしながら自分の目をまじまじと見つめる。

 変な感じだ。ここまで近くまで他人に寄られたのは初めてだった。

「赤イ……色?」

「お前は青だ」

 青い大きな目がこちらを見ている。本当は自分もこの色がよかった。

「いいなぁ……」

「今、何カ言イマシタカ?」

「いや。何でもないさ、きっと風の音だ。今日は風が強いからなぁ」

 誤魔化しても無駄だ。この少女は嘘が分かる。

「ソウデスカ……」

 けれども少女はそう言っただけで、それ以上は深く聞かなかった。

 多分、分かっていたけどそんなことより自分の目の方に興味があったのだろう。その証拠に少女の2つの目は、その間も自分の目から目を離さなかった。

「あしっど・れいん」

「アシッドでいい。何だ」

「何故私ガソノ色ヲ知ラナイノデショウカ。私ハ何デモ知ッテイナケレバナラナイノニ」

 少女は目を見るのをやめて、考え込んだ。

「何で知らないかって? それはな、この国の奴は赤が嫌いだからさ」

「嫌イ? ソレデハ教エテクレナイ理由ニナリマセン。ソレニ、知識ハチャント与エルベキデス。嫌イナモノデモ情報ヲ与エテクレナケレバ、私ハ何ノ役ニモ立テマセン」

 と、少女は無機質で光のない、しかし真っ直ぐな目をこちらに向けた。

「あしっど。私ニ教エテクダサイ、ソノ色ガ嫌ワレル理由ヲ」

「どうしても?」

「ドウシテモ」

「めんどくさいなぁ。あ、立ち話もなんだし、下に降りて座ってゆっくり話そうぜ」

 少女の手を掴んで引っ張る。そうしないと、少女は動かない気がした。

「ほら、行こう。知りたいんだろ?」

「……ハイ」

 渋々、といった感じで少女は歩きだした。

「意味ガワカラナイ」

 そう少女は聞こえるか聞こえないかくらいの声で呟いた。

生きているのか、死んでいるのか→←何も分からなかった



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慈雨 - この壊れっぷりがたまらないです!本当に大好きです!頑張って下さい! (2018年8月1日 21時) (レス) id: 15d4cc16a2 (このIDを非表示/違反報告)
ネギトロ@38(プロフ) - コメント失礼します。とても引き込まれ、次へ次へと読み進めてしまいました。更新、頑張ってください (2018年6月3日 9時) (レス) id: 367ddc4bce (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ピペットくんのぶっ飛び具合、たまりませんヾ(´∇`)ノ それに、駒込ピペットから名付けるなんて羨ましいほどのセンスの高さ!素敵です!これからの展開も、楽しみしています! (2018年5月25日 3時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2018年5月13日 20時

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