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水の中へ ページ9


 どうしましょう。迷子になってしまったわ。

 今日は気分が良かったから、調子にのってどんどん歩いて気がついたら知らない場所だった。

 バスはもう来ないし、知ってる人もだぁれもいない、どうしたらいいかしら?

「〇∋:?%?〇,*?%?〇:(?,∋」

 私のお友だちの彼が言う。

 絵の中を通っていけばおうちに帰れるって。

「そうね。それがいいわ」

 近くにあった大きな油絵の中にドアをくぐるときみたいに入る。

絵は水に沈んだ町をテーマにしたらしく、辺りは水で満たされていて、カラフルな魚がたくさん泳いでいた。

「ここを真っ直ぐ行けばいいのよね?」

「*#∋〇%」

 そうだ、と彼が言う。

 言われた通りに道路を真っ直ぐ歩いていると、私の手をカラフルな魚たちがつついて遊び始めた。

「あら、とっても可愛いお魚サンね」

「ー%∋〇‐-‖:! `}.<{&#<(〜!」

 かぶりと彼が魚に噛みついた。驚いて逃げる魚を追い回して噛みついてを繰り返して、あっという間に魚は全ていなくなってしまった。

「あまり殺さないでちょうだい。大丈夫よ、あなたが一番可愛いんだから」

「♪」

 軽く撫でると彼は喜んで水の中を泳ぎ回った。

「あら、ここで行き止まりみたいだけれど……」

 道路は途中で途切れて、先には底が見えない程深く大きな穴が広がっていた。

「?%〜{#<-〜::.|」

「あぁ、そうね。飛び込むんだったわ」

 ひらり。

 穴に飛び込む。

 どんどん落ちていく内に辺りは真っ暗になって何も見えなくなる。

 暗い中で目を閉じて開くと、私の家の前に帰ってきていた。

「あぁ、久しぶりに遠くまで出掛けて疲れたわね」

「∋*#‖〜`∋#」

「ふふふ、そうねぇ……、明日はどこに行きましょうか?」

画面の前には→←非現実と現実の間



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ワモテ(プロフ) - この独特な世界観が好きです! (2022年6月28日 19時) (レス) @page4 id: d60369b53d (このIDを非表示/違反報告)
切り紙 - 衛生兵079さん» やっぱりそうでしたか!ありがとうございます! (2022年4月12日 21時) (レス) id: 3ea5ee90fc (このIDを非表示/違反報告)
衛生兵079(プロフ) - 切り紙さん» 同じお店です。女性はそのお店の店長さんです。 (2022年4月12日 20時) (レス) id: fb9fb2071f (このIDを非表示/違反報告)
切り紙 - 衛生兵079さん» あ、あっ…!上手く言い表せないんですけどもう全部好きです((それで思ったんですけど、この話の女性が開いてるお店って道案内に出てきたおじさんが言っていたのと同じですかね? (2022年4月12日 20時) (レス) @page38 id: 3ea5ee90fc (このIDを非表示/違反報告)
衛生兵079(プロフ) - 切り紙さん» リクエストありがとうございます。風、空ですね、了解しました。 (2022年4月12日 10時) (レス) id: fb9fb2071f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2017年12月25日 23時

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