死の話 ページ13
ずぅっとむかしから、いきものについてまわりそのいのちをもっていってしまう"し"というものがいました。
"し"にいのちをもっていかれたいきものは、もうじゆうにうごくことはできず、かんがえることもおしゃべりもできなくなってしまいます。
にんげんたちは"し"をおそれ、なにをしてでも"し"からのがれようとしましたが、"し"はだれひとりとしてみのがすことはありませんでした。
"し"はどれだけにげてもどこまでもおいかけてきて、ひとつのいのちがえいえんにつづくことをゆるしませんでした。
せかいでいちばんつよくても、せかいでいちばんのかねもちでも、せかいでいちばんかしこくても"し"からのがれることはできませんでした。
あまりにもにんげんが"し"をおそれるので、かわいそうにおもったいのちのかみさまが、おおきなおおきなかべをつくり、そのなかに"し"がはいってこれないようにしました。
にんげんたちはよろこび、そのかべのなかでくらすようになりましたが"し"はかべのないそらからやってきました。
それをみたかみさまはこんどはやねをつけて、どこからも"し"が入ってこられないようにしました。
これでほんとうに"し"からかいほうされたにんげんたちはまいにちたのしく、えいえんにいきていくことができるようになりました。
しかし、"し"がいのちをもっていかなくなったのでにんげんがへらなくなりました。
にんげんはふえつづけ、いつのまにかかべのなかいっぱいになるほどににんげんがふえてしまいました。
ぎゅうぎゅうにかべのなかにとじこめられたにんげんたちはみな、すこしでもひといところへいこうとして、かべのそとへいこうとしました。
そしてたくさんのにんげんにたえられなくなったかべはくずれ、"し"のいるそとのせかいへとにんげんたちはでてしまったのです。
かべのそとでまちかまえていた"し"はようしゃなくにんげんたちのいのちをもっていきました。
そうしてあっというまににんげんはへり、かべがつくられるまえとおなじくらいのかずにもどりました。
けっきょくどうしたって"し"からにげることはできませんでした。
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ワモテ(プロフ) - この独特な世界観が好きです！ (2022年6月28日 19時) (
レス) @page4 id: d60369b53d (このIDを非表示/違反報告)
切り紙 - 衛生兵079さん» やっぱりそうでしたか！ありがとうございます！ (2022年4月12日 21時) (レス) id: 3ea5ee90fc (このIDを非表示/違反報告)
衛生兵079(プロフ) - 切り紙さん» 同じお店です。女性はそのお店の店長さんです。 (2022年4月12日 20時) (レス) id: fb9fb2071f (このIDを非表示/違反報告)
切り紙 - 衛生兵079さん» あ、あっ…！上手く言い表せないんですけどもう全部好きです((それで思ったんですけど、この話の女性が開いてるお店って道案内に出てきたおじさんが言っていたのと同じですかね？ (2022年4月12日 20時) (レス) @page38 id: 3ea5ee90fc (このIDを非表示/違反報告)
衛生兵079(プロフ) - 切り紙さん» リクエストありがとうございます。風、空ですね、了解しました。 (2022年4月12日 10時) (レス) id: fb9fb2071f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衛生兵079 | 作成日時：2017年12月25日 23時
