素顔 1 ページ10
退屈そうに私を見る青色の目。
私もその目をじっと見つめ返す。
「ねぇ、モノクロ」
「なんだ」
「いつまで、その……、私の顔を見ているんです？」
ベッドに仰向けに寝ているモノクロの顔を覗く体勢のまま、もう15分くらいはこうしてお互いの顔を見合っていた。
「そうだな、もう少し」
「そんなに隠していないのが、珍しいんですか？」
「珍しい」
今日は仮面するのを何故かうっかり忘れてしまっていた。
家の中で、外出の予定がなかったから良かったけれど、それでも隠していないと落ち着かないから自分の部屋へ取りに戻ろうとしたら、モノクロに引き止められた。
誰かに顔を見られるのは嫌いだけど、モノクロなら、まぁ、良いかな、なんて思っている内にいつの間にか時間が過ぎていた。
「食事のときとか、お風呂のときは外しているから、モノクロにとってはそんなに珍しくもないでしょう？」
「逆に言うとそれだけだろう？ それ以外は常に隠しているわけだし、風呂だって一緒に入るわけじゃないから見るとしたら何か食べてるときだけだ」
「だからって、何で……。こんな、顔、見たって、何も……」
自分の顔の酷さは自分が一番良く知っている。
それでずっと嫌な思いをしてきた。
「俺からしたら、顔というか、頭がついているだけで立派だよ」
そう言ってモノクロは、今つけている他人の頭と自分の首の境目を指でなぞった。
モノクロには頭がない。どこかで無くした、モノクロはそう言っていた。
私もなかったら良かったのに、そう思う。
だってなかったら今のモノクロみたいに自分の好きな顔の頭をくっつけられるから。
「お前が思っているより、良いものじゃない」
私の考えを透かしたようにモノクロは言う。
「え、なんで？」
それに少し驚いて思わず聞き返した。
「はは、お前は全部顔に出るから分かりやすくて助かるよ」
モノクロは楽しそうにそう言って、にやにや笑っている。
「……そうかな？」
「隠していても分かりやすいが、見えているとより分かりやすくなるな」
「何だか、変な気分」
「ははは」
自分でも見たくないから見ないようにしているこの顔はそんなに分かりやすい表情をしているのか。
もしかしたら他人や自分自身よりもじっくりこの顔を見ているモノクロだから分かるのかも？
それなら、ちょっと嬉しい。
「……ところで、モノクロの本当の頭はどんな頭だったんです？」
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P様さん - ドーナツの所可愛すぎてめっちゃ好きです！更新楽しみにしてます……！ (2023年4月17日 22時) (
レス) @page30 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
降臨の颯 - 続編おめでとうございます。これからも応援しています。 (2022年2月25日 21時) (レス) @page4 id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衛生兵079 | 作成日時：2022年2月25日 1時
