天使と悪魔 2 ページ3
血痕や髪の毛一本残さず食べて、そこは初めから何ごともなかったような、むしろ初めよりも綺麗な状態になっていた。
……一体連中は何だったのだろう。あいつらとは違うようだったし、新しく出来たそういう団体だったのか？
まぁ、いい。そろそろ帰ろう、そう思ったとき激しい光と風を切る音と共に、足元に金色に光輝く何かが突き刺さった。
「な……」
飛んできたそれは自分の身長よりも長く、複雑な装飾が施されており、床に突き刺さっているほうには刃の様なものが見えた。
槍だ。そう認識した途端に槍は陽炎のように揺らぎ目の前から消えてしまう。
槍が飛んできた方へと目を向けると、そこに奴がいた。
建物の上の方についた大きな窓、ガラスは全て割れ窓枠だけが残ったそこに立っていたのは紛れもなく天使だった。
白と金を基調とした服を着て、背中から白い鳥のような翼を生やし、頭上には眩しく輝く輪が浮き、長い白髪を風になびかせてそいつは悔しそうな顔をしていた。
「外したか」
低い女の声で天使が言う。
「何かと思えば、天使様じゃねぇか。相変わらず気に食わない顔して、何の用だい？」
「相も変わらず、大飯喰らいで身の程知らずの悪魔め。お前を倒すために立ち上がった勇敢で何の罪もない人間達をよくも、残虐な方法で殺してくれたな」
「おい何だ最初から見てたのか？ 最初っから見てたんならお得意の奇跡で哀れな人間共を助けてやれば良かったじゃないか、そうしたら皆死なずに済んだかもしれないってのに」
そう言うと、天使は唇を噛み黙り込んだ。
「ほら、お前ら天使はいつもそうだ」
「黙れ」
「ただ見てるだけ。苦しみ助けを請う人間に手を差し伸べることなんてしない」
「黙れ！」
天使が両腕を広げると先程の槍が数本空中に現れ、こちらを向いた。
「自分が弱いから何もしないんだろ？」
「黙れと言っている！」
槍が勢いよくこちらへ向かって飛んで来たが、天使の短い悲鳴とともに途中で煙のように消えた。
天使は簡単に捕まった。
背後からこっそり、なんてことをしなくても正面から影を腕のような形にして伸ばし、捕まえた。
体育館の中央の床に思い切り叩きつけて、動けないように手足と羽をしっかりと影で押さえつける。
ステージを降り、ゆっくりと歩いて昆虫標本のようになった天使の前に立つ。
「はは、どんな気分だい？ 天使様よぉ」
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P様さん - ドーナツの所可愛すぎてめっちゃ好きです！更新楽しみにしてます……！ (2023年4月17日 22時) (
レス) @page30 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
降臨の颯 - 続編おめでとうございます。これからも応援しています。 (2022年2月25日 21時) (レス) @page4 id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衛生兵079 | 作成日時：2022年2月25日 1時
