契約 4 ページ6
「本当にいないのか」
不満そうな顔でそいつが言う。
「うん、いない。どこに行ったかも分からない」
「……そうかよ」
なんでこいつこんなに姉ちゃんに会いたがってるんだ？
姉ちゃんのこと知ってるみたいだし、何かあったのかな？
でも姉ちゃんがこいつのこと言ってた覚えはないし、今日初めて見る奴だし、本当になんなんだろう。
そんなことを考えていてふと気がつくと、そいつが俺の前まで戻ってきてこちらを見ていた。
「おい、お前」
「……はい、何でしょう？」
「気が変わった。お前を助けてやる」
「へ？」
聞き間違い？ いや、でも確かに……。
「えっと……」
「お前を100位以内にしてやる。ただし、俺の力分けてやる訳じゃない、お前が自力で強くなるんだ」
「どういうこと？」
「今から1年と11ヶ月の間、お前が100位以内に入るため、今よりも強くなるための手助けをしてやる。例えば……、魔力の量を増やすためのあれこれとか、期間中に死なないようにある程度は守ってやるし……」
指で自分の頭をトントンと叩きながらそいつが言う。
助けてくれるっていうのはありがたいけど、なんで急に？
……姉ちゃんの名前聞いてからだ。やっぱり姉ちゃんと何かあるのかな？
「まぁ、そんな感じだ。そして契約の代償として、期間中にお前が得た力を半分俺に寄越せ。これでどうだ？」
力を半分か……、いや待て。期間中に得た力の半分ってんなら……、マイナスにはならない？ 今よりもプラスではあるのか？
まぁ、力を得ることができればだけど。
「どうする？ 代償も優しい方で、どっちかと言えばお前の方が有利な条件だ。どうだ？ 契約するか？」
本当に契約していいのか？
でも、誰かの助けを借りないとどうにもならない。
……こんな俺が生き残るためには、これしかないんだ。
「分かった。する……、契約するよ」
「よし」
そいつがニヤリと笑って指をぱちんと鳴らすと、空中にくるくるに巻かれた古っぽい紙が現れた。
紙は勢いよく開くとこちらに向かってふわふわと飛んで近づいてきた。
紙の上の方には大きな目玉がありギョロギョロと不気味に動いていて、紙の真ん中辺りには何やら難しい文章がびっちりと書かれている。
「これが契約書。ここには契約の内容が書かれてる。これにお前の名前を書くんだ、そうすれば俺と契約したことになる」
俺は契約書のはじから伸びた羽ペンのようなものを手に取った。
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凪 - ネタ帳からきました。待ってやっぱりモノクロ好っきぃ!!! (2021年12月25日 21時) (
レス) id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
ふな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！更新頑張って下さい！ (2021年7月24日 20時) (レス) id: eed263cb5f (このIDを非表示/違反報告)
Cry cry - 続きが楽しみです。がんばりんごー！ (2021年6月22日 16時) (レス) id: 72089608d6 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルズ(カービィ)LOVE(プロフ) - ワーッ！(？)どうも！はじめまして！読ませて頂きましたが、すんごく面白いです！頑張って下さい！応援してます！ (2021年6月18日 21時) (レス) id: 604407214b (このIDを非表示/違反報告)
まきぴろん(プロフ) - 遅れてごめんなさい(汗)完成しました！！ありがとうございました。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 24af0dff4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衛生兵079 | 作成日時：2020年11月2日 14時
