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烈火 4 ページ30

「は? なんでそれを……あっ」

 しまった。

「ほらね、私分かるの」

 少女の声は震えていた。

 理由はわからないけど、ばれてしまっちゃしょうがない。今すぐこの場で殺してしまおうとナイフを振り上げた。

 しかし少女は足元の砂を一掴み俺の目に向かって投げつけ、砂は見事に俺の目に命中した。

 目が痛い。ジャリジャリする。

 砂と涙で滲む視界に、どこかへ走っていく少女が見えた。

 目を3、4回こすり少しはましになったが、目から異物感は消えない。そんな状態で少女の後を追った。

 しかし、いくら走っても少女に追い付けない。

 俺では通るのが難しい障害物だらけの路地や隙間を少女はするする通り抜け、なかなか捕まえられなかった。

 そして少女を追う内に、いつの間にか港のコンテナが大量に積まれた、まるで迷路のような場所へと入り込んでいた。

 クレーンは動いておらず、いくつかの街灯がある以外に明かりはなく、人の気配はない。

 目は何ともなくなっていたが、いつの間にか少女の姿を見失っていた上に、出口が分からなくなっていた。

 どうしようか……。

 下手に動くのもよくない気がする。

 とりあえず耳を澄ませる。困った時は周りの音を聞くのが一番だと姉ちゃんが言っていた。

 それに少女はまだ近くにいるはずだ。

 波の音、停泊している船が揺れる音、そして街中の方から聞こえる暴走族のバイクの音……。

 その中に微かに、人が歩く音が聞こえた。

「そこか?」

 多分ここから近い。

 足音に向かって通路を走り追いかける。

 いくつ目かのコンテナの角を曲がるとそこには歩いている少女の姿。

 少女は俺の姿を見るなりまた走り出す。そしてこれまた細い通路へ入ろうとする。

 今度は逃がさない。

 腕を伸ばし、少女の足元に意識を集中する。

 しっかり掴んだ感覚。

 来た。

 それを思いっきりこちらに引き寄せる。

「きゃあ」

 小さく悲鳴をあげて少女は派手に転んだ。

 膝を強く打ったようで、すぐには起き上がれないようだった。

「やっと、追いついた……」

 そして、少女の目の前に立つ。

「ひっ……、いや、来ないで……」

 今にも泣き出しそうな顔で少女が言う。

「ごめんね。俺だってさ、死にたくないんだ」

「……助けてレフト!」

 少女がそう叫んだ瞬間、前方から赤く燃え盛る俺と同じくらいの大きさの火球が2つ、こちらに向かって飛んできた。

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- ネタ帳からきました。待ってやっぱりモノクロ好っきぃ!!! (2021年12月25日 21時) (レス) id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
ふな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新頑張って下さい! (2021年7月24日 20時) (レス) id: eed263cb5f (このIDを非表示/違反報告)
Cry cry - 続きが楽しみです。がんばりんごー! (2021年6月22日 16時) (レス) id: 72089608d6 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルズ(カービィ)LOVE(プロフ) - ワーッ!(?)どうも!はじめまして!読ませて頂きましたが、すんごく面白いです!頑張って下さい!応援してます! (2021年6月18日 21時) (レス) id: 604407214b (このIDを非表示/違反報告)
まきぴろん(プロフ) - 遅れてごめんなさい(汗)完成しました!!ありがとうございました。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 24af0dff4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2020年11月2日 14時

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