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駄目だ。分からねぇ。

 完全に白衣の人だよ? 名前よりそっちが強くて覚えてないよ?

 いや、待て。適当に言ったら奇跡が起きて当たるかもしれない。

 やるしかねぇ。

「ヤマダ タロウさんでしたっけ?」

「違うよ」

「サトウ アキラだよね! 覚えてるよ!」

「ホントに覚えてるのかぁ?」

「冗談だって! スズキ」

「違うな」

「んーと、それじゃあ……」

「増田三九。だと思うよ……」

「お、当たり」

 マスクの人!? 助かった!

 てかまた泣きそうになってる! 何で!?

「あ、その、ごめん。話してる途中に割り込んじゃって……」

「いや、気にしなくていいよ! むしろありがとうって感じだから! 私1人じゃあの人の名前一生かかってもでなかったもん!」

「朱里ちゃんちょっと失礼じゃない?」

「名前知ってるってことは、もしかして知り合いかなんかなの?」

「いんや、俺は知らない。こんなマスクつけてるやつ見たことも会ったこともないぜ」

「ボクも初めて会ったよ……」

「じゃあ、何で知ってるの? もしかして全校生徒の名前と顔覚えてるとかなの?」

「えっと、全校生徒は覚えてないけど、1年生は全員分かるよ。入学式の時にみんな名前呼ばれてたから……」

 1年生って100人以上いるよね。それ覚えてるって相当すごいと思う。

 鞄からシャベルはみ出てるけど。

「えっ、すごい。記憶力やばい」

「確かに。俺はクラスの奴半分くらいしか覚えてないのに」

「その半分に私入ってたんだ……」

「いや、だってあんなに派手に転んでたら覚えるだろ。あ、やばいまた笑いが……んふふ」

「もうその話やめて! 思い出しただけでも死にたくなるから! あ、ところで、えーっと、マスクのあなたは何て名前なの?」

「えっ、あ。ボク、ボクは菅部大地っていうの。えっと、はじめまして、朱里……さん」

 すっごく控えめに出されてるその右手は握手ってことでいいのかな?

「よろしくね、大地くん!」

 出された右手を握ると、大地くんは大きく目を見開いていた。

「うぇっ!? あ、何で!?」

「え? 握手じゃないの? これから仲良くしていこうね的な」

「いや、でも……。ボクなんかと仲良くなっても、何も、良いことないし……」

 また泣きそうになってる! やばい!
 

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玄米 - うおおおおおおん(?)新作ですか!?新作ですよね!嬉しいです!ホントに好きです。応援してます。めっちゃコメントしてますが、決してキモい奴でも追いかけてる奴でも無いです。ただ好きなんです!頑張ってください! (2021年2月26日 21時) (レス) id: db446f1b3a (このIDを非表示/違反報告)
猫だと被る。じゃあどうしろと!?(プロフ) - 菅部くんのスコップがカバンに入りきってないのがすごい可愛いです('ω'*)更新楽しみに待ってます(´ω`*) (2021年2月26日 13時) (レス) id: 6e4ba6028f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2021年2月25日 18時

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