医者と×× ２ ページ45
「何から話そうか……。あぁ、あれがいい。あの子だ、また新しくやって来たユカという子だ」
「彼女が何かしたのか？」
「いや、何もされてはいないさ。さっき会って軽く自己紹介をした程度だが、どこか彼女に惹かれるものがあるね」
「もしかしたら、一目惚れってやつかもしれないぞ」
「まさか。そんなはずはないさ」
「さぁ、どうだか」
本当はその理由を知っているが、黙っておくことにする。
スリープはお喋りだ。うっかり口が滑って、彼女に病気のことを言ってしまうかもしれない。出来ればそれは避けたかった。
「お医者先生。何か隠しているのか？ その目は隠し事をしている目だ」
少しどきりとした。
「私は何も隠していないよ。はぁ、君も彼みたいなことを言うんだね……。それとも彼に直接教えてもらったのか？」
「うーん、外したか。いやぁ人の心を読むのは難しいな。彼女に教えてもらったが、未だに一人も当たっていない」
「昔からやってきたのと、昨日今日からやったんじゃ出来ないのも当然だろう」
「そうか。外がない分、中身に詳しい彼女か彼のようにはいかないか。習得できればきっと使えると思ったが、たくさん練習が必要なようだね」
残念、とスリープが笑う。彼は嘘を見破るのが苦手だ。
「それはそうとして、お医者先生。ハッパがまた自分の病室を吹き飛ばしていたよ」
「あぁ、またか……」
「僕の病室も少し巻き添えを食ってね、風が吹き込んで寒いんだ。このままでは寒くて眠れないから何とかしてくれないか？」
「分かった。出来るだけ早めに対処させてもらうよ」
ただでさえ、金がギリギリだというのにどうしてここの患者は備品や与えられた病室などを壊したり食べたりしてしまうんだろうか？
一部はそういう症状だから仕方がない、で済ませられるが、中には趣味でやる患者もいる。それが悩みの種の一つでもあった。
「ジャックの部屋もかなり寒そうだったからあちらも窓くらいははめてやった方がいいんじゃないか？ あまり女の子は寒い所にいさせない方がいい。可哀想だ」
「ジャックか……。どうせ直してやってもすぐ食べられてしまうからなぁ……」
「そうか。イートもかなり寒そうにしていたし、ユカも寒いと思うが……。まぁ、無理はしないでくれよ。医者とはいえ、僕たちと同じ患者でもあるんだから」
「あぁ、分かっているよ」
「さて、次は何の話をしようか……」
そう言って、スリープは少し考え込んだ。
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闇の花 - イラスト方も全部見せてもらいました！！イラストも本編も両方神です！！キャラクターに恋して見に来たらもっと萌えました♡ (2021年10月31日 21時) (
レス) id: c41fddad3f (このIDを非表示/違反報告)
玄米 - これを読むために占いツクール開いています！全部ではないですがほぼ読みました。面白かったです！ここまで読んだのはこの作品が初めてです。 (2021年1月5日 19時) (レス) id: 7e3b04a730 (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - ジャックがすごい好きです！！面白くて一気読みしました。その後、もう一度じっくり読むと、「やっぱおもしろい……！」ってなります。神作品!!! (2020年12月23日 21時) (レス) id: 70c8834e49 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 201号室の二人がなぜかカップルに見えてしまってあああああああってなった (2020年1月5日 0時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
空百合@募集企画運営のため低浮上(プロフ) - 続編移行ですね……！これからどんな患者たちが出てくるのか、患者たちの病気は治療されるのか、気になることがまだまだたくさんあります…… (2018年6月10日 7時) (レス) id: 3dba0349b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衛生兵079 | 作成日時：2017年10月8日 17時
