Dear my teacher【 sh × kt 】 (ページ8)

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▽ sh ページ8

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「そこで待ってて」をしっかり守り、壁に寄りかかる葉山を見て夏井先生は「平野先生、教師らしくしないと」と鼻で笑った。意表を突かれ何も言い返せなかった自分に、初めてタバコを吸った時と同じように煙にむせて動揺してる自分に、とてつもなく幻滅した。

空き教室に行けばジメジメとした蒸し暑さに倒れそうになる。その中で涼しそうに風に靡く葉山に見惚れてれば急にこちらを向いた。

「で、なに？」

そう問いかけられて我に返る。俺は何を馬鹿なこと考えてんだ。本題に入らなければ今度こそ始末の対象だ。こいつが俺を訴えるなんてしそうにもないけど。

ほら、「紫耀くんと結婚する」とか言うから。こいつこそ頭がぶっ飛んでる。いい大人を馬鹿にするなよ、とでも言うように、冷たく「真面目に」と返せばカバンを持ち、出て行こうとする。

「じゃあね、先生」

酷く冷めた顔でそう言った。

掴めない、もどかしい、やるせない。どの感情も当てはまる俺は今、どんな顔をしてる？１人になった途端、極度の自己嫌悪に陥った。俺は何してんだ。担任でもないのに……、その通りだよ。

戸締りをしようと窓に手を掛けて外を見れば、髙橋と２人、校庭を歩く葉山。漫画のようにお似合いな２人。

もし教師と生徒じゃなかったら……、俺はきっと……、。

首を横に振って窓を閉めた。

その日だけは打ちひしがれるように校舎を後にした。

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