5/sk ページ21
νの視線に気づいて阿部ちゃんを繭で包み込んだ。
阿部ちゃんめがけて落ちた雷は繭を伝って床に流れていく。白い繭の中からパニック状態の阿部ちゃんの声が聞こえた。そんなにテンション高いってことは無事だね。
ab「佐久間! これ何? 今光ったのって雷!? ねえ何が起きてるの!?」
sk「阿部ちゃん! そこ安全だからしばらくじっとしててー!!」
ab「じっとはするけど説明になってねえ!!」
sk「あっはは! 説明できない! 無理ー!!」
ab「佐久間!!」
やべえ、阿部ちゃんいじるの楽しいけどνの顔超怖い。
でも負けない。阿部ちゃんを苦しめた奴に負けるわけにはいかない。
俺に向かって何度も何度も雷を落とすν。それを全部避けながら、隙間を縫ってνに近づく。
容赦なく降ってくる雷を全部避けきるなんて、たぶん普段の俺なら出来ない。でも今は違う。
光に包まれてから力がどんどん湧いてくる。今なら何でも出来る気がする。すげえ、すげえよラウール!!
νは俺を睨み付け、雷を落としながら下がっていく。それより速く俺はνと距離を詰める。
νが雷を落とすのをやめて、俺に直接電流を浴びせようとした。遅いよ。この武器長いからもう届くよ。
＿＿俺はνの腹に思いっきりレイピアを突き刺した。νの背中からレイピアの切っ先が見えた。
ν「ッ……!!」
これでもかと目を見開くν。俺はレイピアを引き抜いた。血しぶきが舞って、νの体が床に落ちた。
必死で息を吸いながら俺を睨み付けるν。目が黄色く光りかけたけどその光はすぐに消えた。もう『力』を使うのもしんどいんだ。
sk「……すげえ痛かったんだから、これで刺されたの」
ν「くっ……馬鹿馬鹿しい。そんな、醜い、人間のために、戦って……何が、楽しいんですか」
息も絶え絶えになりながらνが俺に言う。
俺は阿部ちゃんを包んでいた繭を消してνに言った。
sk「楽しいよ、大好きな人を守れるんだから。ってか俺の『master』は醜くないもん」
ab「佐久間……」
ν「……はっ」
νが乾いた笑いを残して意識を失った。まさか……嫉妬? 違うか。
とにかく終わった。レイピアを床に置いた瞬間、俺の体は強く抱きしめられた。
阿部ちゃんが涙声になってる。さっきまでテンション高かったのに。
ab「佐久間……ごめん、ごめんね」
sk「んー? 何が? 俺何もされてないよ?」
ab「でも……」
sk「阿部ちゃん、お礼が聞きたいな」
ab「……ありがとう」
俺は阿部ちゃんが泣き止むまで背中を優しく撫でた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1502人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
You∞(プロフ) - はじめまして。eighter兼スノ担です。パッチって10年も経ってたんですね…びっくりです。個人的にはマック大好きです。ラスボスな5人のギリシャ文字に気づいて、にやにやしてました(笑)素敵なお話を、ありがとうございました。 (2020年11月30日 18時) (
レス) id: ef0b5894b5 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - はじめまして。とても素敵なお話ありがとうございます！気がついたら泣きながら読んでました笑 文章も読みやすく、少年漫画のように熱くて一気に読んでしまいました(*^^*)これからも応援しております (2020年11月7日 1時) (レス) id: 22c1ddb176 (このIDを非表示/違反報告)
光音(プロフ) - はじめまして。お話読ませていただきました！実は私JUMP担なんですがお話の良さにSnowManにハマってしまいそうです笑 スノ担の友達にも紹介します！これからも頑張ってください！！ (2020年6月23日 18時) (レス) id: 99d6b0d09d (このIDを非表示/違反報告)
ハンナ(プロフ) - シリーズ一気読みしました！お話の終い方がとても綺麗で感動しました。余談ですが∞も担当してるので他担の方にもパッチが刺さっていて嬉しいです！ (2020年6月15日 16時) (レス) id: 0f3798d0a8 (このIDを非表示/違反報告)
めい - 次の作品も、更新頑張ってください!!応援してます^^ (2020年6月5日 22時) (レス) id: 730e0168eb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：怜
| 作成日時：2020年3月30日 12時
