spin-off 年に一度のごちそう/dt ページ13
翔太は普段ほとんど料理をしない。
なのに包丁やフライパンだけにとどまらず、はかりや泡立て器、オーブンレンジなんかが置いてあるのはこの日のため。
この日だけは『monster』がいなくても＿＿というか家の中で＿＿俺は召喚される。
「＿＿我、我が使いを召喚せり。
出でよ、『猛火の騎士』」
nb「ねえー涼太疲れたー」
dt「じゃあ代わる? 翔太これ切れる?」
nb「……無理」
dt「あら、じゃあ頑張れ。ってかハンドミキサー買えばいいじゃん」
nb「金がない」
翔太が一生懸命生クリームを泡立てて、俺は苺を切る。
料理をしない翔太がこの日＿＿俺の誕生日だけはケーキを作る。さすがに1人じゃ作れないから俺も手伝うんだけど。
俺が『guardian』になってからも翔太は必ず俺の誕生日を祝ってくれた。
ただ、生きてた頃と違ってプレゼントをもらっても困るし、旅行に行こうとしても実質翔太の一人旅みたいになるし、具現化しても俺は端から見ればコスプレだし、そもそも翔太の金がない。
それでも何かしたい、と翔太が思いついたのが、一緒にケーキを作ることだった。
家で俺を召喚する分には何の問題もないし、『guardian』に食事は必要ないってだけで、食べちゃいけないとか食べられない訳ではないし。
俺たち2人だけの特別な思い出も出来るしね。
nb「……よし、スポンジケーキ切れた」
dt「ふふっ、ずいぶん下の層薄いね」
nb「うるせ」
dt「生クリーム絞るのうまくなったね」
nb「ふふん、毎年作ってるからな」
dt「じゃあそろそろ苺も切ろうよ、半分にするだけなら出来るよ?」
nb「それは涼太の仕事」
dt「ははっ、はいはい」
なんだかんだ言いながらできあがったちょっといびつなショートケーキ。俺が切り分けて、翔太が皿に載せて、2人でテーブルを挟んで手を合わせる。
nb「涼太誕生日おめでとう」
dt「ありがとう。いただきます」
ひとくち食べて、2人で笑い合う。今年も同じ味。世界で1番美味しいショートケーキ。
こんなに可愛いことしてくれる『master』を、この1年も全力で守りきらないといけない、と俺は改めて思う。次の誕生日も美味しいケーキが食べられるように。
＿＿次の誕生日にはあと7人増えてるなんて、この時は知るよしもない。
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怜(プロフ) - 玲雄さん» コメントありがとうございます! さあ…康二は何をやらかしてるでしょう(遠い目) これからも楽しみにしていただけるように頑張ります。よろしくお願いいたします! (2020年3月29日 11時) (
レス) id: bde7b3ff5a (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - アルさん» コメントありがとうございます! やばい、細かいところまでちゃんと見られてる…^^; 笑 ラウールっぽさが表現できててよかったです。これからもお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年3月29日 11時) (レス) id: bde7b3ff5a (このIDを非表示/違反報告)
玲雄(プロフ) - 更新大変だと思いますが頑張ってください！応援してます！『舞台の幕開け』に康二が関わってたら､､､なんていう妄想してました(笑)ガンバルンバです (2020年3月29日 2時) (レス) id: 391783a751 (このIDを非表示/違反報告)
アル(プロフ) - 睡眠欲を寝たい欲っていう言い方するのruっぽくて可愛い笑笑応援してます！ (2020年3月28日 21時) (レス) id: 8c112bdf37 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 祐莉さん» コメントありがとうございます! 感動だなんてそんな…とても嬉しいです。これからも面白いお話が書けるように頑張ります! よろしくお願いいたします!! (2020年3月24日 20時) (レス) id: bde7b3ff5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年3月21日 19時
