理不尽 ページ13
【Aside】
「んで、てめェは何で居るんでィ」
「え?そりゃァ、暑いから」
「語彙力もクソもねェな」
「……ハハッ、これ他人に言われると結構腹立つね、死ね沖田くん」
「テメェに語彙力がねェのが悪りィ。お前ェが死ね」
沖田くんの部屋に入って、危うく殺されそうになった後の、この会話。
……うん。ふつーに物騒。
というか、沖田くんが言うと本気で殺ってしまいそうで怖い。
しかも、当の本人はポーカーフェイス。怖いことこの上無い。
どんどん危ない方向へ行ってしまう思考にストップを掛けて口を開く。
「にしても、冷房って人類が生み出した最高傑作だと私は思うんだよね」
「今度は、脈絡がねェな」
「……いや、この季節になるといっつも思っちゃうんだよ」
「無視か」
もはや、会話に成っていない言葉の放り合いをする。
言葉のキャッチボールというより、お互い魔球投げ合って、場外ホームランしちゃってるよね。コレ。
そう思いながら、此処に来て、夏を迎えてからずっと抱えていた願望を言ってみる。
「ねぇ、屯所の廊下にも冷房つけるきって無い?」
「知らね」
「うわっ、ヒドっ」
即答。しかも、“知らね”って。……傷ついちゃったよー、お姉さん。興味無さげな君の態度に。
「そんなに冷房付けて欲しいんだったら、土方さんに頼んだらどうでィ。お前ェ、土方さんの“お気に入り”みてェだし交渉すれば、出来るんじゃねェか」
「お〜、その手は思いつかなかった」
「オイ、ツッコめ」
沖田くんの声で我に返り、あ、と思った。
「……最近、風邪引きやすいんだよなぁ」
「いや、そこじゃねェよ。というかまず、てめェのことは聞いてねェ」
「……え、……じゃあ、一体何のことなんだい沖田くん」
聞くと、ハァ、と呆れた様に溜め息をつく。
「……俺ァ、さっきてめェに“土方さんのお気に入り”つったろ」
「…あぁ〜、そこか〜」
やっと、答えを知って腑に落ちて言葉を溢していると、
「何か、その反応腹立つな」
なんて、理不尽なこと言うもんだから、
「……フッ」
鼻で嗤ってやったら、
ゴンッ!!
………無言で殴られた。
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暇愛*(プロフ) - 狗冰さん» ごめんなさい、レス押すのを忘れてました…… (2019年7月15日 13時) (レス) id: 6dbb02dd11 (このIDを非表示/違反報告)
暇愛*(プロフ) - ありがとうございます!稚拙な作品ですが、よろしくお願いします! (2019年7月14日 20時) (レス) id: 6dbb02dd11 (このIDを非表示/違反報告)
狗冰(プロフ) - 面白そうです!更新ファイト! (2019年7月14日 19時) (レス) id: aa5a4ed97b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暇愛* | 作者ホームページ:
作成日時:2018年6月11日 2時