虎の娘《３》 (ページ7)

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遅刻ページ7

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聞いてください。ちょっと事件が起きました。

これから舞台とかドラマとか映画とかでしばらく揃ってYouTubeが撮れなくなるからって今日は8時から集合して撮影する予定だったんです。

そのうち一本は「私の加入秘話」みたいなものを披露するっていう動画でその為に昨日夜遅くまで確認して準備してたんです。

何回も確認して完璧だって思って寝て、次スマホを見た時には余裕で9時過ぎてて。

一瞬頭の中がパニックになって、もう夢であってくれって思ったんですけど何百件とみんなからは通知来てるし徐々に視界も明るくなってくるし「あぁ、もう現実なんだな」って今諦めかけてどうするか迷ってます。

…なんて、本当はこんな解説なんかしてる暇なくて今すぐ走って行って謝らないとダメなんですよね。

とりあえず着替えて顔だけ洗って髪の毛も適当に縛ってひたすら走って事務所に向かう。

A 「すみません！おはようございます！！」

走って前髪はぐちゃぐちゃだと思うけど、そんなことを言っている場合ではない。

とりあえずみんなに謝らないといけないと思ってみんなの顔を見ると、見たことがないぐらい心配の表情を浮かべていた。

川島「…しんどかった？大丈夫？」

宮近「倒れてたとかじゃないよね…？」

ここまで要らない心配をさせてしまったことが純粋に申し訳なかった。

A 「…寝てました、」

中村「A通知切ってないよね？1分おきぐらいに送ったけど全部気付かなかったの？」

A 「全然気付きませんでした…」

スマホを見ると確かにどれだけスクロールしても消えないぐらい大量に通知が来ている。

これ気付かなかったってすごいな、私。

松田「寝てただけなら良いんだよ、割と本気で俺事件かなんかに巻き込まれたと思った」

松倉「A遅刻とかしないし連絡も取れないってなると余計にね、」

吉澤「…マジでこんなところ海人に似なくて良いから」

みんな思い思いに言いたいことを言ってくるけど、全部悪いのは私。

しっかりと受け止めるしかない。

誰ひとり怒っていないことに逆に恐怖心を覚えながら全員の言葉を丁寧に聞く。