虎の娘《３》 (ページ6)

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それからしばらく各自練習をして少しずつ合わせに入る。

七五三掛「え～めっちゃいい！今回のやつ一番好きかも」

吉澤「マジで？嬉しいありがとう(笑)」

一回通し終わった時点でしめちゃんが笑顔で言って閑也が嬉しそうにお礼を言う。

閑也はずっと前から振り付けをする度に悩んで苦しんでいるみたいだけど、メンバーに褒められて心から喜んでいる姿を見て微笑ましくなるから止めようとは思わない。

なんなら私も閑也の振り付けが好きだから負担になるのは分かってるけど、これからもずっと振り付けをして欲しい。

通し終わったあと、少しだけ休憩も兼ねて最終確認をしてすぐに撮影に入る。

全員が納得するまで踊り続けてこの収録が終わったのは夜遅くだった。

宮近「じゃあこれでお届けしちゃってもいいですか？」

A 「さんせ～い…ってそんなノリじゃない？ごめん」

中村「めっちゃオモロいじゃん何それ(笑)」

A 「うるさいな」

そして、総評も撮ってこの日の一通りの仕事は終わった。

松田「…ね、Aちゃんが振り付けっていうか候補出したのってサビ前のとこでしょ」

A 「サビ…？ってどこ？…あ～まあ確かに有名なとこの前かも」

松田「だよね、なんかちょっとAちゃんが踊ってそうな雰囲気感じた」

A 「そんなの分かるの！？」

そんなに私の振り付けに癖があるのか考えてみたけどそこまで分からなかった。

中村「元太Aのこと大好きだもんね～」

松田「ちょっと海人に言われたくないんですけど」

中村「口を開けばAちゃんAちゃんって、もはやストーカーじゃん(笑)」

松田「海人も人のこと言えないからね？」

いつからか感じていたピリピリは完全に無くなっていて、昔と同じ兄弟みたいなノリで笑いあっているふたり。

ふたりと一緒に終始騒がしく楽屋まで戻る。

吉澤「A本当にありがとう！！今度焼肉奢る」

A 「え～良いよ、気持ちだけ貰っとく」

戻った途端すごい勢いでお礼を言ってくれる閑也に私もお礼を言ってこの企画は終わった。