虎の娘《３》 (ページ42)

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ソロコンページ42

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初日の舞台公演が無事に終わって帰る準備をしようとしていた時、突然私だけがマネージャーさんに呼ばれて2021年から2022年にかけてのカウントダウンコンサートをソロで開催することになった。

ソロコンは2020年の夏以来、有観客では初になる。

A 「…私だけ、ですか？」

前は全員が一日ずつそれぞれイチから作り上げたものを配信という形でお届けした。

純粋に疑問に思ってそう聞くとマネージャーさんは迷うことなく頷いた。

マネ「…Aちゃん、トラジャで居られるの限りあるって思っておいた方が良いかも」

A 「え、どういうことですか…」

マネ「今は色々考え過ぎて怪我でもされたら困るし、ソロカウコンやるんだって覚悟だけ持ってて欲しい。虎者が終わったらちゃんと話す」

それだけ言うとマネージャーさんは別のスタッフさんに呼ばれてどこかに行ってしまった。

何も理解は出来ないけど「トラジャでの時間に限りがある」というこの言葉が全てだった。

もうカウコンをやる頃にはトラジャじゃないってこと…？

分からないと言うよりは受け入れたくなくて呆然としていると、楽屋に戻ってこない私を心配したのか宮近が普段着に着替えた状態でさっきまで集合していた場所に戻ってきた。

宮近「…あ、居た。何やってんの？体調悪い？とりあえず衣装着替えた方がいいよ」

それだけ言うとさっさと楽屋の方に戻って行った。

宮近も一日舞台やって疲れてるんだもんね、宮近に言ったら私は楽になれるけどそれでマネージャーさんが言うように宮近に怪我でもされたら笑えないし。

今まで宮近の事情なんか考えず相談してきたのに何故かこの時だけは気にしてしまって何も言えないまま私も楽屋に戻る。

一人だけの楽屋に居るのは寂しくて、いつもは迎えに来てくれるのを待つけど着替えるとすぐに私の方からうみの楽屋に行くことにした。

A 「…うみ、入っていい？」

中村「あ、どうぞ～。ごめん遅かった？(笑)」

A 「ううん、大丈夫」

初めて家に行った時はどこに座るかすら迷っていたのに今では慣れたように楽屋に入って物を退けて荷物をおろす。