虎の娘《３》 (ページ39)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:46,293 hit

. ページ39

・

如恵留と閑也はあくまでも中立として真ん中に居て、話題になっているうみは何の興味も無いみたいだった。

七五三掛「…大丈夫？」

A 「大丈夫。…私本当に全然うみ以外楽しくないとか思ってないよ」

松倉「分かってるよ」

ふたりはさり気なく話しかけてきてくれて、それ以上は何も言ってこなかった。

松田「…Aちゃんと海人が幸せそうだからって八つ当たりするの良くないよ」

宮近「なんでそんなこと言えるの、お前すごいね普通に」

傍から見ると宮近は本当に怒っているように見えて、改めて宮近の演技力に驚かされる。

あれ、本当に怒ってるわけじゃないよね…？

中村「俺らが悪いのは分かったから元太に当たんなって。」

宮近と元太の空気が悪くなりかけた時、咄嗟にうみが止めに入って少しずつドッキリなのか分からなくなってくる。

宮近は怒ってないんだよね？…あれ怒ってる？

私の中でも整理が出来なくなってきた時、混乱している私に気付いたのか宮近が私の方を見て笑ってきた。

宮近「あの、ごめん。Aが困らないでもらって良いですか(笑)」

さっきまでの雰囲気とは一変して柔らかく笑ってくる宮近にみんな着いていけていない。

A 「宮近怒ってた…？」

宮近「怒ってないよ、Aがやろうって言い出したんじゃん放棄しないで(笑)」

いつもと変わらない優しい笑顔をしてそう言ってくれる宮近に安心しながら、みんなの方を向いてネタばらしをする。

A 「えっと、喧嘩ドッキリです！宮近は本音だったかもしれないけど私が怒ってたのは全部嘘です」

宮近「やめて！本音じゃないから！！本当に微笑ましいなって思ってるから！」

平和な雰囲気でいつもと変わらない会話をする私たちにみんな放心状態。

川島「つまり、仲良しってこと…？」

宮近「まあそういうこと(笑)」

吉澤「なんか無駄に気遣って変に疲れたんだけど」

素直にそう言ってくれるみんなの反応を見て改めて宮近と目を合わせて笑いあった。