虎の娘《３》 (ページ36)

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その雑誌はメンバーもちゃんと手に入れてくれたみたいで発売日の楽屋は私の話題で持ち切りだった。

松田「すっごい全部の言葉素敵だったけどAちゃん謙虚過ぎて心配になっちゃう」

宮近「いや、でも言ったら悪いけど入所したばっかりのAは良くも悪くも普通の女の子だった。それがここまで変わるんだもんね、偉いね～」

アイドルとしての意識を持たせてくれたのは間違いなく指導係だった宮近。

やる気が無かった時期も、何も出来なかった時期も全部知っている唯一の人だから若干いじってきているけど全てまっすぐ受け止められる。

A 「変えてくれたのは全部宮近だよ、私の尊敬してる先輩も目指してるアイドル像も一生宮近だもん。」

そう言うと宮近は照れながらも嬉しそうに笑った。

七五三掛「なんか全部読んでAちゃんのこと受け入れて良かったなって思った」

松倉「上からだな(笑)」

吉澤「誰なんだよ(笑)」

どこ目線なのか分からないしめちゃんにみんなツッコんでいるけど、YouTubeが始まるまで必要最低限以外会話すらしてくれなかったしめちゃんにそう言ってもらえたのは素直に嬉しい。

川島「やっぱりこういうのって素敵だね」

A 「如恵留がやったら論文みたいになりそう」

中村「多分自己啓発本作る勢いで語りまくってる」

A 「ブログであれだもんね、」

川島「そんなに言うなよ～」

もう飽きたのかゲームをしているうみとさらっと如恵留のことをいじってみると優しくツッコんでくる。

入所したばかりで不安だった私に、トラジャでの活動が怖かった私に言ってあげたい。

ちょっと考え方を変えて頑張ってみるだけでみんなここまで味方になってくれるし本当に温かい人たちだよ、って。

絶対トラジャに配属されたのは社長の気まぐれなんかじゃない。

努力も向上心も愛もプロ意識も何もかも足りなかった私をこの人たちなら変えられると思ったんだと思う。

私の言葉を噛み締めるように読んでくれるみんなを見てTravis Japanで良かったと心の底から思った。