虎の娘《３》 (ページ18)

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それからみんなの反応を見ていると突然元太から電話がかかってきた。

A 「え、なんか元太からかかってきたんだけど。ごめん、ちょっと出ていいですか？」

普段から電話する方ではないから驚いて電話に出ると元太の方から食い気味な言葉がくる。

松田「Aちゃんインスタライブするなら言ってよ！俺も出たかったのに」

A 「え、見てくれてるの？(笑)」

松田「いや、今帰ってる途中だから見れてないけどちゃかがLINE送ってきた」

元太が最初じゃなかったことに怒っているのか少しだけ拗ねた口調でそう言ってくる。

A 「あ、じゃあ元太も私のことどう思ってるか教えてよ」

松田「ん～、天使。守りたい。もっと甘えてきて欲しい」

A 「私のこと赤ちゃんか何かだと思ってる？(笑)」

松田「赤ちゃんじゃないよ、天使。Aちゃんは？俺のことどう思ってる？」

何が違うのか分からないけどはっきりとそう言い返される。

何となくコメント欄を見ると「カップルの会話」的なことをたくさん言われていて何となく恥ずかしくなってくる。

A 「ん～、なんか一番歳が近いから一番ノリが合って楽しい」

松田「かわいいこれからももっと遊ぼ～ね。じゃあインスタライブ頑張って」

さらっとそう言ってすぐに電話が切れる。

A 「…じゃああとひとりだけかけたい人がいるのでその人にかけて終わります」

そしてトーク欄からその人を探して電話をかける。

猪狩「…は～い？」

猪狩にはいつかこういうことをしたら絶対にかけたいと思っていた。

最近はなかなか連絡は取れていないけど、同期でもあり初めて加入したグループで一番頼っていたメンバーでもあり本当にゼロだった私を支え続けてくれた存在。

A 「今インスタライブしてて、みんなに私の印象聞いてるんだけど猪狩はどうですか？」

猪狩「…え、ちょっとごめん。振り方雑すぎません？(笑)」

A 「私仕切り役しないから分かんないんだよ」

さり気なくいじってくるけど、真剣に考えてくれている雰囲気を感じる。