余命宣告はハッキング出来ますか 2【降谷零/安室透】

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降「..........」

風「..........」






.......ただただ流れる沈黙の時間

もう延命でしかない機械の数々の雑音だけが響く





降「.......帰りたければ帰っていい。サミット直後で疲れただろう。他の人間にも伝えてくれ、ご苦労だった」

風「..........」





とこちらから言うより先に言われてしまうと、本当に帰っていいのか分からなくなる

よくあるだろ？
上司や先輩を怒らせて、帰れと言われても本当に帰ってはいけないというアレ

それと同じシチュエーションなんじゃないかと思い........





風「.......いえ、自分も見届けます」

降「.......そうか」





仕方なく、また始まる棒立ち

だが色んな意味で辛過ぎる

人の死など見たいものではない
しかも憎き犯罪者だった人間
とは言え降谷さんの話に心が全く揺れなかった程自分も冷血じゃない

犯罪者は犯罪者でも彼女は殺人をしたわけじゃない
この職についていなかったら、NOCリストが奪われたなんてどうでも良かったはずで、
現状我々がデータの存在に振り回された以外何の被害も出していない


.......病気の事を知れていたら、もう少し支援出来たのに

やりたい事欲しい物、残りの人生を少しでも楽しめるように手助けが出来たのに


そういう意味では、あの時見当違いで罵った事は申し訳なく思っている




風「.......あの、降谷さん。葬式は公安部で担わせて下さい。我々もこれくらいしか出来ませんので........」

降「.......どうするのが正解だと思う？」

風「はい？」

降「最後のメールに書いてあっただろ、"熊さんとパーティーしてる"と。日記によるとこの子の予定では、限界が近付いたら山に入り熊に食べて貰う、そういうつもりだったらしい」

風「.......く、熊ですか？」

降「自分がこの状況だから、少しでも誰かの助けになれるよう本当は臓器提供をしたかった。だが死後それを家族に邪魔されて無駄死にになるのを恐れて、せめて飢えた動物の腹の満たしになれば.......だそうだ.......僕だってこのままどうにもならないのなら葬式くらいしてあげたい。だがそれがこの子の希望じゃなかったら？」

風「......それは......」

降「そもそもあと......1時間半あるんだ。そういう話は時間切れの後にいくらでも





ガラッ





看「し、失礼します！今すぐにナースステーションにお越し下さい！」

風「え

降「ど、どうしたんですか？」

看「お電話が繋がっています！」

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