5話 ページ5
晴れ晴れとした空の下で、庭で執事と戯れる姿がひとつと、そこから離れたテラスでパズルをつくる姿がひとつあった。
Aは執事とボールを蹴って、何回パスを続けられるかを数えていた。最近、テレビで見たプロの試合に影響を受けたようだ。これまでに真っ直ぐ蹴るコツや、ボールをコントロールするコツを教えて貰っていた。
イルミはひとりでテーブルの上にバラバラに広げたジグソーパズルのピースをはめていた。子どもがやるには細かいピースで、完成したら有名な絵画になるものだ。
イルミの傍にもツボネという執事が立っていたが、手伝うことはなかった。
やっていることは真逆のふたりだが、着ている服は誰から見ても同じだった。白のトレーナーに淡い色のズボンの組み合わせでサイズも一緒のものだ。
これはキキョウが選んで、イルミとAに同じ服を着せていた。単純にかわいいからという理由だった。
今日、最初に庭にやってきたのはAの方でイルミは後から来た。
イルミは自分と全く同じ格好をしているAを見て男の子みたいだと感じた。実際、ショートに切りそろえられた髪も相まってAには少年っぽさがあった。
｢すごーい。どうやってやるの？｣
交互にパスをするのが飽きたAは、リフティングを教えて貰っていた。執事が足の甲や太腿、おでこを使ってボールを弾ませているのを見て真似をする。
しかし、ボールをキープできるのは上手くいっても2回ほどのようで苦戦していた。それでも、Aは自分が最初から完璧に出来るとは思っていなかった。そのため無邪気に笑っていた。
ツボネはイルミが密かにAが遊んでいる様子を、テラスから見ているのがわかった。
ピースを探すなりはめるなり手は常に動くはずだが、ピースを持つ手が止まっていることが多々あった。
他人のことは気にしないマイペースなイルミでも、Aのことは少し気になるようだった。
｢イルミ、見て｣
両手にボールを持ったAがイルミのもとへ来た。
そして、さっき執事がやったように太腿の上でリフティングをやって見せた。不器用な動作からうってかわり、一定のリズムで安定したものになっていた。
｢まだおでこはできないけど｣
｢ふーん｣
｢やる？｣
Aはイルミならやれると思いボールを渡した。
すると、やはり少しは興味があったのか、パズルはそのままに椅子から降りてボールを受け取った。
そして、イルミは技を盗むようにして簡単にやってのけた。
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マニ。(プロフ) - 連載の方とかの新しい作品とか待っています！これからもボードの方でも仲良く、ファンとして遠くから応援してます！おかか様！ (10月8日 9時) (
レス) id: e240ea4865 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - 千凪さん» ありがとうございます。嬉しいです！ (2022年3月10日 14時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
千凪(プロフ) - すごく面白いです！続きがとても楽しみです (2022年3月9日 7時) (レス) id: 129c41ba6d (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - リトさん» コメントありがとうございます。感想を頂けて嬉しいです！頑張ります！更新は遅いですが今後も読んでもらえたら幸いです。 (2022年2月28日 21時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
リト - とても面白かったです!お話作るのが上手で尊敬してます。無理をせず更新頑張ってください。いつでも待ってます。 (2022年2月25日 2時) (レス) @page29 id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかか | 作成日時：2022年1月23日 14時
