協専ハンターは大変です【H×H】 (ページ10)

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10話空白のページページ10

開いてみると試験の日程や試験会場の場所、一次試験についてなどが書かれていた。

ザバン市、あっサトツさんじゃん。サトツさんとは本部で会うことがよくある。挨拶してちょっと世間話するだけだけど。紳士的な立ち振る舞いをする彼は私にとって好印象だ。

各試験を担当する試験官の氏名の下には、連絡するための手段として電話番号書かれてる。プライベート用ではなく仕事用の番号だと思われる。
それにしても、私の履歴書といい個人情報の管理が緩すぎないか。ビーンズさんはしっかりしているが少し心配になる。

｢主な仕事は各記録のまとめ、、、受験生の脱落数などですね。それに必要とあれば各試験官から要望がくると思います。あとは287期の試験終了後の報告書作成です｣

ファイリングされた資料を1枚1枚めくるが、どれも文字だらけだ。それに、普段耳馴染みのない難しい言葉が使われていることもあり読む気が失せる。

｢うわー、記録といっても結構ありますね。他に補佐の方はいるんですか？｣
｢試験官補佐は10名参加する予定です。Aさんにはその指揮をとってもらうつもりです｣
｢まじすか｣
｢まじです｣

雑用のつもりだったのに指揮なんて。まとめ役っていうの？やったこと無いから不安しかないんだけど。こんな小娘の言うことなんか素直に聞いてくれるだろうか。
そして、一次試験、二次試験とパラパラ捲っていく。

｢あ、ビーンズさん。最終試験のとこ抜けてますよ｣

最終試験とだけ書かれた白紙のページに指を指して伝える。抜けているというか、その存在が無いかのようにごっそり文字が無くなっている。他は丁寧に場所や予定開始時刻、予想通過人数まで書かれていたのに。
すると、ビーンズさんは頭の後ろに手を回して困ったように笑った。

｢実は最終試験はまだ決まってないんです。なんでも会長が後ほど発表すると言うもので｣
｢そうなんですか｣
｢はい。すみませんがいつ知らされるのかも分かりません｣
｢後ほどって、今日の時点でまだなら試験中とかですかね｣
｢そうなりますね。会長の考えていることなんて私にゃさっぱりです｣

会長が信頼を寄せているビーンズさんが分からないのなら誰にも分からない。まあ、私が試験を合格する必要はないので、最終試験の内容については気楽にいきたいと思う。

その後も幾つかの質問と世間話、それに私の一方的な愚痴を聞いてもらった。気づいた頃にはコーヒーカップは空になり、白い容器の表面は冷たくなっていた。