協専ハンターは大変です【H×H】 (ページ7)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:20,428 hit

7話暇だと言えばページ7

｢誰がGOサイン出したんですか｣

私は少し不貞腐れながらビーンズさんの隣を歩く。自分の実力に見合ってない仕事だけは御免だ。いくら成果の合否は問わないとしても寿命を縮ませることはしたくない。

｢会長です。Aさんなら大丈夫だろうと｣
｢そうだと思いました｣
｢まあそう気を落とさないでください｣

私がため息を零すと、ビーンズさんは｢いい意味でですよ？｣と眉を下げて笑う。そうこうしてるうちに会長室の前にたどり着く。ビーンズさんがノックをしたあと、中から会長の声がした。私はなんだか急に緊張してきて、胃がきゅうっとなった気がした。

｢それも今回の件も、すべて見込んでAさんにお願いすることになったんです｣

ビーンズさんは重厚なドアノブに手をかけると、振り向いて私に言った。そんなに期待されても困るけどしょうがない。もう引くに引けないところまで来てしまったんだ。

｢失礼します。会長、Aさんです｣

ビーンズさんがドアを開けると、｢どうぞ｣と会長室に足を踏み入れた。本部に行くことはあってもここに入るのは初めてだ。部屋は白いタイル調の床に、道路側の壁が一面ガラス張りになっている。ネテロ会長はそこから景色を眺めていたが私の方に振り向いた。

｢ネテロ会長お疲れ様です｣
｢おぉA。よく来たな｣
｢すっぽかすわけないでしょう｣
｢それもそうじゃな｣

ネテロ会長はアンティーク調のデスクに移動して椅子に座る。そして、引き出しから何やら書類を取り出すと私に来るよう言った。

｢あの、今回はどのようなご要件で？｣

その呼びかけに対し、目の前にいるネテロ会長は書類に目を通していてチラッと見ただけだった。
今私は決して良い顔はしていないと思う。残念ながら愛嬌というものは微塵も持ち合わせていない。まだ任されるであろう内容が分かっていないのだ。不安にもなる。

｢まあそんな急かせんでも。A、お主暇じゃろ？｣
｢、、、特に用事はありませんが｣
｢それなら問題はないのぉ｣

人がちょっとムカつくところを突いてくるのは健在みたい。会長が手にしている書類は私の履歴書のようなものだった。偉業を成し遂げたわけでもないのでろくな事は書いてない。しかも、クリップで挟まれている写真は目線が合ってなくほぼ盗撮だ。
書類を置き、顔を上げた会長と目が合う。

｢お主には
今年のハンター試験の試験官をやってもらいたい｣