協専ハンターは大変です【H×H】 (ページ5)

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5話イカれてる秘書ページ5

協会側としては、会長とかモラウさんは乗り気でやってくれそう。人数的に十二支んがいいと思うんだけど、パリストンさんはよく分からないな。ジンさんは興味なくて来なそうだし。

ダメだ。人手不足と自由人が多すぎる。

そうなったら多分、私はすぐ死ぬかもな。私のハンターとしての実力なんて、あの人たちの足元にも及ばないし。それに体だって鈍ってたし。このロビーも見る影も無くなるんだろうな。
いっその事更地になるかも。

そんな起こりうるわけがない妄想をしながらロビーの椅子に座る。ビーンズさんがわざわざ迎えに来てくれるのだ。私が直接会長室へ行くと思っていたが、あくまで私は客人だと彼が案内してくれるという。ただでさえ忙しいビーンズさんの業務を増やすのは申し訳ない気がする。

本部に来たときは目的の場所に一直線のため、ロビーなどには留まることは無い。そのため、この椅子がこんなにも座り心地がいいとは知らなかった。
腰を下ろした瞬間その包み込むような柔らかさにびっくりした。加えて、ある程度の反発もあり姿勢が崩れることはない。
さすがハンター協会。どこにも惜しみなく金を使う。

そうやって新しく誰かが来ることもなく一人でぽつんとしていると、エレベーターの扉が開く音がした。あの印象的な緑色が目に入る。私を探している姿を見ると、自然と笑顔になる。椅子から立ち上がって手を振りアピールする。今日もスーツ決まってますね！

｢ビーンズさーん、お久しぶりです｣
｢Aさん、こちらこそお久しぶりです｣
｢元気でしたか？休み取れてます？｣
｢体調は問題ないですが、あいにく休みは取れてません｣

私が心配するように尋ねると、ビーンズさんは困り顔をして笑った。いくらビーンズさんが優秀な秘書だからって、詰め詰めに働かさせるのはいかがなものかと。

｢会長は労働基準があるって知らないんですかね｣
｢あはは、会長に世間の常識なんて通用しませんよ｣
｢さすが自由人の筆頭です。良い意味で｣
｢まあ、私も好きでやってるわけですし。
文句は言いませんよ｣
｢ビーンズさんも中々にイカれてますよね｣

仕事人間なビーンズさんの会長大好き発言も出たところで今日の目的に入る。｢会長室まで案内しますね｣と言われてエレベーターに乗った。ボタンを押して扉が閉まると沈黙が流れる。
私は無言が気まずいタイプなので、この独特な空間にそわそわしてしまう。会長室まで時間はある。
そうだこの間の任務の話でもしようか。