協専ハンターは大変です【H×H】 (ページ2)

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2話悪魔の着信ページ2

建物の外へ出ると空はいつしか真っ暗だった。

それもそのはず、日付はとうの昔に変わっていたのは確認済みだ。頼りなさげな古い街灯と、肌に突き刺さるような冷たい風だけが私を出迎えてくれる。

｢ふう｣と一息ついた途端にどっと疲れが押し寄せてきた。その息で顔が10歳ぐらい老けたような気がした。
もう早く帰って寝ようと思っていると、ズボンのポケットが振動する。携帯が小刻みに揺れ一定の間隔でバイブ音が聞こえる。

私は電話に出る気にならないので無視をしていたが、それは一向に鳴り止まない。苛立ちから眉間に皺が寄る。

｢なんなの、しつこいなあ｣

しかし、そんな気持ちは電話を切ろうと着信先を見た瞬間消え去った。光り輝く画面には、協会という二文字が表示されている。その文字からは禍々しいオーラさえも見える。

遂に私はブルーライトで目がやられたか。いや、そんなはずは無い。協会からなら絶対今回のことについてだろう。きっと仕事が遅いやらなんやらでお荷物な私は、見切りをつけられたんだ！

半泣きの私は少しの望みをかけて通話ボタンを押した。

｢はい、Aです。解雇ですか？
そうですよね。私も今回は予想以上に時間がかかって申し訳ないと思っています｣
｢でも一生懸命やったんです！どうか見逃して｣
｢Aさん！？落ち着いて下さい！ビーンズです。
解雇なんてしませんよ！｣

｢ほんとですか｣
｢嘘つく必要ないですから｣

解雇なし？本当に良かったラッキー！何とか最低のシナリオを回避して一安心だ。私が矢継ぎ早に話してしまったのをビーンズさんが宥めるように言った。それで私も落ち着きを取り戻す。

｢それでですねAさん。
あなたに新たな仕事を頼みたいのです｣
｢えぇ、今そんな気分じゃないんですよ。すいません！ほか当たってください！｣
｢ま、待ってください！
"Aさん"にしか頼めないんです！｣

私にしか頼めない？電話越しのビーンズさんは切羽詰まった感じだ。私にしかという嬉しい言葉を言ってくるが、私に出来る程度のことだ。
それに、その程度の依頼なら協会に代わりの人達がいっぱいいるんじゃないですか？そんな疑問を持ちながらも本題を聞いてみる。

｢、、、一応聞きますけど、期間と報酬額は？｣
｢期間は約2週間プラスAさん次第で何日か。
それと報酬は無いです｣

自然と足が止まる。ビーンズさんが冗談を言ったように思えない。いやむしろ、冗談だと言って欲しい。