＿自分のことより ページ22
Aside
『 ...はぁ。』
休憩室で一人、
コンビニで買ったサラダとおにぎりを食べながらため息をついた。
私がパソコンとにらめっこしてる間に、
隣のふっかも他の社員もみんな仕事を終えて帰っていった。
まぁまたいつものぼっち残業コース。
『 せめて終電までには帰りたいなぁ...、』
なんて独り言を言いながらオフィスに戻れば、
見覚えのある後ろ姿。
『 ...え、奈子？まだ帰ってなかったの？』
今日は早く帰らなきゃ！なんて言ってたのに、目の前にいたのは分厚い書類を持って立ち尽くす奈子。
『 ...おーい、奈子？どしたの？』
奈子｢ .....っ、A、っ、｣
『 え、待って待って泣かないで、え？』
俯いた顔を覗き込めば、
今にも零れそうなぐらい瞳の中に涙を溜めてて。
『 ...何があったの？』
背中に手を当てて、優しく聞いた。
奈子｢ ...部長が、っ、これ全部やり直しって、｣
『 ...全部って...、はぁ？何考えてんのあいつ。』
奈子｢ ...今日、っ、デート、行けない、｣
唇を噛み締めながら、書類を握りしめた奈子。
帰る直前に仕事押し付けといて、押し付けた本人は帰ってるなんて本当に小野田のやつ。最低だ。
『 ...奈子？大丈夫だから、デート、行きな？』
奈子｢ っ、でも、明日までにやってこいって、｣
『 代わりにやるから、奈子は帰っていいよ。』
奈子｢ だめだよ！私の仕事なのに。｣
『 私のことはいーの。』
奈子｢ ...っ、でも、｣
『 デート行けないって奈子に泣かれる方が嫌なんだけど笑』
奈子｢ .....、｣
『 私はどっちみち残業コースだったんだから。これぐらい増えても平気。ほら、早く行かないと照が心配するよ？ 』
奈子｢ ...、ごめん、ほんと。｣
『 今度なんか奢ってね笑 』
奈子｢ ...うん笑 とびきり美味しいやつ奢る。｣
『 はい、ほら行った行った笑 』
奈子の肩をぽんと押して、
手を振って見送った。
オフィスのドアが閉まって、
本当に1人きりになって、
『 ...なにやってんだろ私、笑 』
なんだか虚しくて笑えてきた。
でも、いいんだこれで、
奈子が笑ってたら私も幸せだし。
偽善とかそういうのじゃなくて、純粋に。
.
.
.
.
私はあんな風に、誰かを愛せないから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6115人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽむりん(プロフ) - あやのさん» 嬉しいです(；；)ありがとうございます(；；) (2021年3月5日 19時) (
レス) id: a9d3d6effb (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - お話大好きです(〃ω〃) (2021年3月5日 11時) (レス) id: f49c4e3d67 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむりん(プロフ) - 七七盛さん» 悶えていただけて本当に嬉しいです…！どんどん運転してもらいましょう(*^^*)いい感じに4人の絡みを出していけるように頑張りますのでこれからも応援していただけると嬉しいです(；；) (2021年3月4日 19時) (レス) id: a9d3d6effb (このIDを非表示/違反報告)
七七盛(プロフ) - 免許所有のふっかさんんん、ぐあぁずるいぃと悶えながら拝読いたしました！！この４人のバランスもとてもきゅんです！！続きを待ち遠しく待機します！！！ (2021年3月3日 15時) (レス) id: b88e55deaf (このIDを非表示/違反報告)
ぽむりん(プロフ) - orzさん» 惚れてもらえて嬉しいです笑いつもコメントありがとうございます(；；) (2021年2月25日 7時) (レス) id: a9d3d6effb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽむりん
| 作成日時：2021年1月15日 20時
