貴方達と、出逢えた奇跡 ３ ──

・ 片寄 涼太 ページ22

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佐野玲於の話の続きです。


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白濱｢A、いつになったら目覚めるの｣




呟くように吐き出された亜嵐くんの本音は俺らの心の中をぐるりと掻き回した。




関口｢もう、2ヶ月半？くらい？｣




いつもならあっという間に感じる2ヶ月半が今はとても長くて苦しい時間だった。




小森｢……ねぇ、質問していい？｣




ん？と隼へと皆の目線が集まれば恐る恐るというように問い出した。




小森｢皆は、Aの事をどういう感情で接してるの？｣




なんて言えばいいんだろう。この感情にどう名前を付ければいいのだろうか。




白濱｢んー、俺はファン。…かなぁ。

そりゃもちろんAの事は大好きで大切だけど、どういう目線で見るかって言われたらファンの目線かな。｣


佐野｢あー、俺もかもな。恋愛では無いかも。ただ心配っつーか、兄貴的な｣


小森｢いや、Aの兄貴は岩さんだから！｣




あははって笑いが起きる楽屋に俺は自分の疑問を投げかけた。




片寄｢Aといると、ドキドキしないの？｣




シーン、となり次に笑いが起きた。




数原｢それは……恋じゃない？｣




え、恋？これが？




今まで俺は人なりに恋はしてきたつもりだった。


でもそれは長続きとかはあまりしなかった。




中務｢じゃあ、Aといてドキドキする？｣


片寄｢うん。でもたまに苦しくなるけどね。｣


中務｢……、Aが知らない誰かと話してたり一緒にいたらどう思う？｣


片寄｢嫌だ。誰？って聞く。後、普通にムカつく。｣




なぜだかみんなが真顔になってしまった。




片寄｢え、皆そうじゃないの？｣


佐野｢じゃあ涼太くんは、Aに彼氏が出来たり熱愛報道が出たらどうする？｣


片寄｢怒る。かなぁ…いや、悲しくなるかも。なんで俺じゃないのかなって……え、あ、嘘、え？｣



え、俺、待って、今なんて言った？





“ な ん で 俺 じ ゃ な い の か な ”





数原｢……まじか。｣


白濱｢いや、うん。いいとは思うけど、え、うん。｣




何となく気まづくなってしまったけどそんなの関係ないくらいに俺の心臓はドキドキと音を立てていて、苦しかった。









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