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幸せな場所なはずなのに苦しくなって涙が零れそうになった。
そんな時だった。
岩田「A、笑って?……そんな苦しそうな顔をしないで、笑ってほしい」
私以上に苦しそうな顔をした剛典に顔をのぞき込まれてしまった。
『私、ここにいていいのかな、……剛典、怖いよ…みんな、キラキラしてる』
剛典の手を握って───まるで、引き止めるかのように強く握りしめた。
そんな私を優しく包み込んでくれた剛典。
岩田「大丈夫、他の誰よりもAはキラキラしてる。
だって俺のお嫁さんなんだから。自信もって?」
その大きな手のひらで頭をそっと撫でられ頬を伝う指先。
そんな剛典の行動1つ1つが私の心の中にあったモヤモヤと苦しさを脱ぎ払ってくれた。
『ありがとう、剛典───』
岩田「うん、Aには笑顔が一番だよ」
そう言って剛典は最高の笑顔をくれた。
2人微笑みあっていた時だった。
会場の電気がいきなり全て消えて、真っ直ぐの真ん前にあるステージだけが照らされた。
そこに立っていたのは7人の男の人達。
岩田「『……え?』」
─そばにいて 君の笑顔のため─
聞いたことがある曲だった。
優しい声と、優しい声が混ざり美しくこの会場中に響く。
岩田「まじか……HIROさんからのサプライズだ。HIROさんめっちゃドヤ顔してる(笑)
えっと、今歌ってるのは俺の後輩でGENERATIONSっていうんだよ。
右側の背高いのが涼太って言って、隣にいる髭のマッチョは龍友」
ニコニコと自慢げに話すその顔は嬉しそうで私も嬉しくなった。
うっとりとしていたらステージの照明は消えて、次に明かりが付いた時は女の人が1人立っていた。
─大切な人はいるのって 聞かれる度にね あの日を思い出すよ─
『瀬名、さん?』
岩田「知ってるの?」
『瀬名さんはうちの広告塔だから。』
彼女が着ればそれは瞬く間に売れて、しかも私服でも着てくれるからとても宣伝される。
それだけじゃなくて彼女は本当にスタイルも着こなしもいいからぴったりの人。
岩田「ヒナコはね、涼太の彼女なんだよ。……ほら、さっき歌ってた長身の方の。」
『へぇ……お似合いだね』
岩田「うん。くっつくまで本当に大変だったけどね(笑)
俺たちみたいにずっと一緒にいて欲しいな……」
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あっちゃん - すごくよかったです。本当にこうなればいいなぁと思いました。読むたびに感動して涙がとまりませんでした。 (2018年3月20日 21時) (レス) id: f83acd1f10 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー(プロフ) - すごく切なくて心温まる話でした。臣ちゃんsaidも結婚後も見てみたいです!楽しみにしてます (2017年12月16日 22時) (レス) id: 2003420e41 (このIDを非表示/違反報告)
ayanalovedance(プロフ) - 最高です!!結婚後すごく気になります!!! (2017年12月16日 21時) (レス) id: 30d2492fd6 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 結婚後すごく読みたいです!!キュン死しそうです! (2017年12月16日 18時) (レス) id: 0c4620f798 (このIDを非表示/違反報告)
ishrmy37(プロフ) - 岩ちゃんとの結婚後のお話も是非見たいです! (2017年12月16日 16時) (レス) id: c0d66834b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2017年11月30日 21時