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一週間、経ってしまった。




結局私は、オーバーサイズのトレーナーとデニムを履いて、その上からモッズコートを着てCLUB“SPECIAL PLACE”に向かった。




臣の仕事って何なんだろう。




そんな事を思いながら私はCLUBの重いドアを開ける。




中からは溢れんばかりの爆音と若者の騒ぎ声。




懐かしい、この感じ。




私は招待状を受付の人に見せてカウンターの方へ行き、ドリンクを頼む。お酒じゃないのは、明日朝早いから。




予定時刻を10分すぎた時だった。




店の照明が全て落ちた数秒後、ステージの上の青の照明だけが付いた。同時に悲鳴のような叫び声が響き渡る。




そんなみんなの目線が集まるステージに立っていたのは7人の男の人達。




曲が流れ出してきて踊り始めた5人の人と歌い始めた2人の人。




歌ってる人の声は聞いたことがあってしばらくした後、臣だと知った。





『……え、』





臣の後ろで踊ってる人に見覚えがあった。




ありえないくらいに心臓がバクバク言ってる。




嘘だ、そんな、馬鹿な、ありえない、否定的な言葉が脳内を駆け巡り狼狽えた。




私が目で追うのは茶髪で、色白で、筋肉がしっかりと付いていて、鼻筋が綺麗に通っている人。




笑顔で踊ってるその人はふと目線をこっちに向けた。




私はなぜだか慌てて逸らして、その場から逃げた。




外に出て冷たい空気を吸い込むと火照った頬の上をより冷たい何かが流れるのに気がついた。





『……岩、ちゃ、』





あれは間違いなく、岩ちゃんだった。




目の前が真っ赤になって、頭の中が真っ白になった。




笑ってた。




私の大好きな笑顔で、笑ってた。




私の知ってる岩ちゃんとはちょっと違かったけれど、大好きな岩ちゃんだった。




思い違いなんてことはない。




絶対、岩ちゃんだ。




何であそこにいたんだろうか。




もしかして臣は、全てわかってたの?




携帯が震えた。




相手は臣で、震える手で出てみる。





『もし、もし…』



《登坂:は?お前泣いてんの?》



『臣……、』



《登坂:つか、今どこ?》



『明日……早いし、仕事遅いから、もう帰らなきゃ、それに、明後日まで仕事詰め込まなきゃだから、だから、じゃあね』





早口にそう言って私は電話を切った。









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設定タグ:三代目Jsoulbrothers , 岩田剛典 , 登坂広臣   
作品ジャンル:恋愛
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あっちゃん - すごくよかったです。本当にこうなればいいなぁと思いました。読むたびに感動して涙がとまりませんでした。 (2018年3月20日 21時) (レス) id: f83acd1f10 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー(プロフ) - すごく切なくて心温まる話でした。臣ちゃんsaidも結婚後も見てみたいです!楽しみにしてます (2017年12月16日 22時) (レス) id: 2003420e41 (このIDを非表示/違反報告)
ayanalovedance(プロフ) - 最高です!!結婚後すごく気になります!!! (2017年12月16日 21時) (レス) id: 30d2492fd6 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 結婚後すごく読みたいです!!キュン死しそうです! (2017年12月16日 18時) (レス) id: 0c4620f798 (このIDを非表示/違反報告)
ishrmy37(プロフ) - 岩ちゃんとの結婚後のお話も是非見たいです! (2017年12月16日 16時) (レス) id: c0d66834b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ラベン | 作成日時:2017年11月30日 21時

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