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『クサいこと言うかもだけど、これが運命ならもう一度会える。
そんな気がするの、』
岩田「俺、Aが好きだよ。…大好きだよ。
──愛してる」
『うん、』
岩田「……出来ることなら放したくない。離れたくない。A以上に好きになる人は絶対いない。
いないって、言い切れる。」
『……っ、』
岩田「それでも、離れなくちゃいけないの?」
『いつかこれで良かったと思える日が、来る。
そう信じてるから。だから今は──』
岩田「っ、……分かった、…だから今は、俺でいっぱいになって。」
───俺だけの事を考えて、俺に溺れて
『……これ以上、幸せになってもいいの?』
岩田「もっと、もっと幸せにしたい。もっと愛したい。やっぱり離れたくないって言わせるくらい、愛すから」
『もっと愛してくれるの?』
岩田「愛してるって言葉じゃ足りないくらいに、愛してる───」
そう言って強く抱きしめて、強く強く、抱きしめて、キスをした。
そのキスは終わること無く続き、深く、深くなり、息もできない程に苦しくなった。
キスの味はしょっぱく、互いが互いを思って泣いた証だった。
それが、二人にとって最後の夜だった。
ベッドは深く沈み、互いが互いだけを求め合う声だけが狭い部屋に響いた。
声が枯れるまで彼の名前を呼び、彼もまた私の名前を数え切れないくらいに呼んだ。
筋肉質なその体で包まれれば、私は幸せの絶頂へと陥った。
───誰よりも、愛してる
いつ、眠りに落ちたのかも分からなかった。
目が覚めたのは繋がったまま、私を離しはしまいときつく抱きしめる彼の泣き声で、私は朝が来た事に気がついた。
放したくない、離れたくない、ただそれだけを繰り返しながら言う彼に私はもう一度キスをして、その後深く、甘く、優しく、それでも激しく、もう一度だけ、最後にもう一度、愛し合った。
───次の日、私と彼は別々の道を歩き始めた。
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あっちゃん - すごくよかったです。本当にこうなればいいなぁと思いました。読むたびに感動して涙がとまりませんでした。 (2018年3月20日 21時) (レス) id: f83acd1f10 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー(プロフ) - すごく切なくて心温まる話でした。臣ちゃんsaidも結婚後も見てみたいです!楽しみにしてます (2017年12月16日 22時) (レス) id: 2003420e41 (このIDを非表示/違反報告)
ayanalovedance(プロフ) - 最高です!!結婚後すごく気になります!!! (2017年12月16日 21時) (レス) id: 30d2492fd6 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 結婚後すごく読みたいです!!キュン死しそうです! (2017年12月16日 18時) (レス) id: 0c4620f798 (このIDを非表示/違反報告)
ishrmy37(プロフ) - 岩ちゃんとの結婚後のお話も是非見たいです! (2017年12月16日 16時) (レス) id: c0d66834b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2017年11月30日 21時