五話 ページ5
.
.
真っ暗な闇の中 ふわりと自身の体が浮いたかと思うと強力な重力に押し潰されるかの如く落下していく。
身動ぎ意識を外に向けると背景が瞬きの間に変わっていった
村で子供のようにはしゃいでいたかと思えば炎の中で悔恨を抱き泣き喚いて居たり、得体の知れない恐ろしい何かからただ無力に逃げ続けていたり、赤色の中で立ち尽くしていたり
移ろいゆくそれに逆らう事が出来ず身を委ね何分 何時間 何日経ったのかすら分からなくなるような途方も無い永遠、または一瞬の微睡みの中に突然目を燃やすような眩い光が、体を貫く何か沙耶を覚醒させる
次に彼女の視界の中に入った物は、猪だった
「わ」
本能的に突っ込んでくるそれを交わすべく素早く起き上がり横に移動する
猪突猛進！と叫ぶ彼の名を沙耶は知っていた
普段は猪の被り物を着け大抵を上半身裸で過ごしている 猪に育てられたという少年
「……伊之助、くん。何してるの？」
一度息を吐き首を傾げる沙耶、それにギョロリと猪の目が向けられる
「おいお前！猫野郎！俺と勝負しろ！」
「ん〜…」
二本の刀を持ちながらびしっと効果音がつきそうな程にこちらを向く彼に沙耶は欠伸をしながら目を擦り答える
「寝起きたから負けちゃうよぉ…眠いからさぁ…」
再度寝ようとすると伊之助が沙耶の方へ飛びかかる、ふらりとそれを交わすと同時にぽん と頭に手を置きまた今度ね、と彼に告げ猫背になりながらどこかへ行ってしまう
一瞬の間、頭を撫でられる程に隙があったことや何かほわほわする気持ちやらで伊之助の思考は停止するもののびくっ、と再度動き出す
何故これ程までに伊之助が沙耶に勝負を仕掛けるのか、それは伊之助の危機を彼女が救ったからだ。
その後も自分の事を過小評価し続け階級が下である伊之助の暴言暴動にも殆ど動じず受け流している事が気に食わないらしい
「っ…待やがれ！！」
ドタドタと廊下を走る伊之助と俊敏に交わす沙耶、その後しのぶに怒られたのは言うまでもなかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 100人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し92308号(プロフ) - フィンさん» わ〜ありがとうございます！猫っぽさを出したかったので嬉しいです！！ (2019年6月16日 2時) (
レス) id: b44a86193a (このIDを非表示/違反報告)
フィン - いつも楽しみに読ませていただいています！夢主、猫みたいで気ままでいいですね！ (2019年6月5日 21時) (レス) id: 56d46f0764 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あむま | 作成日時：2019年5月27日 3時
