ある日の赤と、 ページ9
「……うっそでしょ」
『ん？』
「こんな優しいことある？」
『Aにだけだよ』
「それは嘘」
向かい側に座るだてと私の間にある、大きめのおにぎり。
『中身ね、カレー』
「そんなこと出来んの？！」
『そんなびっくりする？』
収録と収録の合間、人間欲には勝てなくてがっつりお腹は空いていた。
でも、少し寝不足でケータリングを取りに行くのさえ億劫だった。
取りに行くのも、何食べようかなって考えるのも面倒で。
「食べていい？」
『Aのために握ったからね』
少し離れたケータリングスペースで、男共が『肉取りすぎ！』とか喧嘩(？)をしている会話の中で『ラップもらっていいですか？』ってだての声が聞こえた。
食べるのもめんどくさい、という感情さえ芽生えてしまうのも考えておにぎりを作ってくれたんだろう。
「いただきます」
『召し上がれ、握っただけだけど』
「…だて」
『ん？』
「およめさんになってほしい」
『うん、逆だね？』
ツッコミどころがあるのぐらい私にもわかるけど、残念ながらここにはツッコミ不在。
握っただけと彼は言うけど、相変わらず胃袋を離してくれない。
一口一口食べ進めるほど、嬉しそうな顔をしてくれるから余計においしく感じる魔法とかもあるのかも。
「だては自分の食べたの？」
『うん、Aが半分寝てる時に』
「……そっかあ」
『どうして？』
一番はだての作ったものをだての前で食べてるからなのかな、とも思ったり思わなかったり。
「んーん」
『Aが食べ終わるまでここにいるから大丈夫だよ』
「え」
『え、そういうことじゃなくて？』
「そういうこと、だけど、……いいの？」
自分の分食べ終わってるんだよ、ここにいて私のご飯に付き合ってる意味なんかきっとない。
『Aの美味しそうな顔見るの好きだしね』
「……」
『ゆっくり食べな？』
「……いただきます」
『さっき聞いたよ(笑)』
なんか、胃袋以外も掴まれちゃったらしい。
ここに流れている時間がゆっくりな気がして、いつもより一口が小さくなった。
深『また2人結婚してんじゃん』
阿『違う違う、まだプロポーズ(笑)』
向『いや何でそこに突っ込まんの！？俺がおかしいんか！？！？』
ラ『俺もAちゃんと同じの食べたい』
目『お前ならもらえるでしょ』
佐『翔太は無理だけどね！』
渡『は？もらえるし』
岩『や、多分佐久間も無理だよ(笑)』
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ざりがに(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます〜！楽しみつつ頑張らせていただきます！美紀様もお気をつけて……！ (2021年4月4日 0時) (
レス) id: 6288c05c26 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - SnowMan大好きです亮平君と翔太君と涼太君寄りのオール担当です最高です更新大変だと思います頑張ってください応援してますコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年4月2日 19時) (レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ざりがに
| 作成日時：2021年4月2日 18時
