6日目�� ページ15
「………や、て……や」
「てつや！！！」
「うわっ！！びっくりした！虫さんそんな耳元で大きな声出さんでよー！」
「呼んでもぼーっとしてるから大声出してんの！」
ただいま撮影所。
目の前には頬を膨らませてぷりぷりと怒ってるざわくん。
どうやら俺は上の空だったらしく、怒鳴られてしまった。
「…って！もう！てつや！！聞いてんの！？」
「聞いてるってば！！！」
「じゃあ僕が今言ったこと、もう1回復唱して」
「………」
「ほらー！聞いてないやんー！」
だってしょうがないじゃないか。
今になって、時間を置いて、冷静になってみて、
Aに感情をぶつけてしまったことを後悔してるなんて…。
「で、てつやは何悩んでんの？」
「んぇ？いや、別に…」
「別にじゃないでしょ！！このままじゃ全然拉致あかんからまずそっち解決してから！」
ざわくんはこうなってしまったらもうあとには引かない。
俺は仕方ないと、大きく見せ付けるように溜息を吐いてから口を開いた。
(勿論ざわくんには溜息吐くなってしっかり怒られた)
「ふーん、で。その親戚の子が祭り連れてって欲しいって駄々こねたからてつやは怒っちゃったと」
「うーーーん、まぁそんな感じ…」
流石に金魚になった人間が、なんてファンタジックな事言ったら病院に担ぎ込まれそうなんでそこは適当に濁した。
「簡単じゃん」
「何が？」
「連れてってあげたらいい」
「だぁから、ざわくんにこうやって仕事の相談されてるから無理だって言ってんでしょ？」
「だからよ。こんな話ちゃっちゃと終わらせたらいいやん。僕とてつやが本気出したらすぐでしょ？」
「………」
「ガスト時代、僕とてつやでホール回したの、覚えてるでしょ？あれくらい本気出したら、なんでもすぐ片付く」
「…そーだなぁ…」
「そんで連れてってあげなよ、お祭り」
そんでちゃんと謝っておいで。
そう言って、呆れたように笑うざわくんを見て、今まで意地張ってた気持ちがポロリと零れ落ちた。
「…そうだな。そうする」
「よし、となったら、さっさと目の前のもの片付けよ！」
大人になったから自由が効かないんじゃなくて、
大人になったからこそ、目の前の物を早く片付けて自由を手に入れなくちゃな。
ざわくんと気合を入れて話をし、明日も掛かりそうだった案件を今日中に全てまとめることが出来た。
さぁ、あとは家に帰って謝ろう
そして伝えるんだ。
一緒に祭り行かないかって。
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えみ - 話が美し過ぎた… (2020年7月20日 3時) (
レス) id: 4b46f7439f (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - *ameto*さん» ありがとうございます！曲とともに見て頂けて嬉しいです。イメージ通りのお話になっていたでしょうか？是非また他のお話も見て下さると嬉しいです！ありがとうございました！ (2019年9月6日 0時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» ありがとうございます！今回は今までの橙さんとは違った雰囲気のお話だったので、不安でしたがそう言って貰えて嬉しいです！でもやっぱりラブラブなお話が書きたくなるので、また次の橙さんに期待していて下さい！ (2019年9月6日 0時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
*ameto*(プロフ) - 完結おめでとうございます。こうなるとわかっていても避けられない、2人の運命にうるっと来ました…。神曲を教えてくださって、こんなに素晴らしい作品を読ませていただいて、本当にありがとうございました！ (2019年9月3日 0時) (レス) id: 7b77494f9e (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完結おめでとうございます！執筆お疲れ様でした！毎度のことながら、素敵なお話をありがとうございます！ヨウさんの書く橙さんが大好きです！心がギュってなって、きゅんってなって。次回作も楽しみに待ってます！また橙さんをお願いします！！！ (2019年9月2日 18時) (レス) id: 318cc8d8b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヨウ
| 作成日時：2019年8月27日 11時
