3日目�� ページ6
頭を撫でると、気持ち良さそうに閉じる瞼。
それが何だか可愛くて、ずっと撫でてしまっていた。
そっと手を離すと、ゆっくりと開かれる瞳。
よくよく見ると、Aの瞳は青みがかっている。
「お前、綺麗な目してんだな…」
ふとついて出た言葉にAは嬉しそうに目を輝かせた。
『そーなの！Aの目はぁ、お水とおんなじ青色ー！』
そう言ってぱちぱちと瞬きを繰り返し、見て見て！とアピールしているようだ。
本当に、海のように吸い込まれそうな瞳だ。
『Aは、てっちゃんとおそろいなんだよ！』
Aは自慢げに胸を張る。
「おそろい？」
『そう！Aの体の色のオレンジ色でしょ？』
「あぁ、金魚の時の？」
『うん！あとねー、お腹に黒い丸があるんだよ！』
そう言えば、あの時の金魚は右の下腹部に少し大きめの黒い模様があったっけ…
と、金魚のAの姿を思い浮かべる。
『で、目の色は青で、てっちゃんの羽と同じ色！ほら、てっちゃんとおそろいー！』
ぱちぱちぱち と破顔の笑みで手を叩くA。
そんな簡単な事でこんなふうに喜べる純粋なAが単純に可愛かった。
「そうだな、お揃いだな」
『えへへ、おそろい嬉しい！』
またその頭をそっと撫でてやってふと気づく。
「やっべ！遅刻だ！アイツらにドヤされる！」
ばたばたと慌ただしく立ち上がる俺を物珍しそうに見つめるA。
『ちこく？』
「そう！これから出掛けてくるから！」
車のキーを取るとAが大きな声で叫んだ。
『Aも行く！！！』
「……だめ！！！」
一瞬Aの言葉に反応できなかったが、Aを撮影所に連れてくなんて、そんなことは出来ない。
『なんで！！』
「仕事だから！！」
そう返すとむくれていたAの頬が小さく萎んでいく。
『…お仕事？』
「そう！」
『てっちゃんの、ママとパパと同じ？』
「そうだよ、俺ももう働くようになったの！」
Aの中の「俺」はきっと学生時代の俺で止まっているんだろう。
まん丸にした目がふっと小さく緩まると、少しだけ悲しそうに眉を下げた。
『そっかぁ、てっちゃんも、大人になったんだねぇ…』
何だかその言葉が胸にズシンと積み重なった。
「……ごめん、だから連れてけないんだ。でも、待っててくれる？」
そう伺うように尋ねると、Aはゆっくりと頷きた。
『ばじゅちゃんと、お留守番してるね』
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えみ - 話が美し過ぎた… (2020年7月20日 3時) (
レス) id: 4b46f7439f (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - *ameto*さん» ありがとうございます！曲とともに見て頂けて嬉しいです。イメージ通りのお話になっていたでしょうか？是非また他のお話も見て下さると嬉しいです！ありがとうございました！ (2019年9月6日 0時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» ありがとうございます！今回は今までの橙さんとは違った雰囲気のお話だったので、不安でしたがそう言って貰えて嬉しいです！でもやっぱりラブラブなお話が書きたくなるので、また次の橙さんに期待していて下さい！ (2019年9月6日 0時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
*ameto*(プロフ) - 完結おめでとうございます。こうなるとわかっていても避けられない、2人の運命にうるっと来ました…。神曲を教えてくださって、こんなに素晴らしい作品を読ませていただいて、本当にありがとうございました！ (2019年9月3日 0時) (レス) id: 7b77494f9e (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完結おめでとうございます！執筆お疲れ様でした！毎度のことながら、素敵なお話をありがとうございます！ヨウさんの書く橙さんが大好きです！心がギュってなって、きゅんってなって。次回作も楽しみに待ってます！また橙さんをお願いします！！！ (2019年9月2日 18時) (レス) id: 318cc8d8b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヨウ
| 作成日時：2019年8月27日 11時
