はたらくおにいさん。

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その先生に呼ばれた明希ちゃんが部屋からぴょこっと顔を出す。

「あー！Aお姉ちゃんだ！」

明希ちゃんはそう言うとやったー！と声を上げて帰りの支度をする。
あ、一応先生には挨拶しといた方がいいかな？

『いつも明希がお世話になってます』
「あ、いえ…えーっと、明希ちゃんとはどんな関係で？」
『明希は姉の子なんです』
「そうだったんですね！」
『今日から3日間は私がお迎えになります。宜しくお願いします』

そう言って頭を下げると、先生も慌てて頭を下げてくれた。

「いえ！今日明希ちゃん、縄跳びで遊んでました。クラスで1番上手なんですよ」
『えー！そうなんですね！』

先生と明希ちゃんの話で盛り上がってると支度を終えた明希ちゃんが部屋から出てきた。

「先生何の話してるの？」
「今日明希ちゃんが縄跳び上手だったよって話」
「なんだ！良かった！変な話してるのかと思った」

そう言うとテラスに座って靴を履き始めた。

『それじゃあありがとうございました』
「あ、いえ。お気を付けて！」
『ありがとうございます』
「先生さようならー！」

明希ちゃんと手を繋ぎながら園を出る。
保育園へのお迎え、なかなか楽しいかもしれない。

「ママ忙しいのー？」
『そうみたい。夜にはお迎えに来てくれるから、ご飯食べて待ってようか？』
「うん！」

そう笑顔を向けて手をぎゅっと握ってくれる明希ちゃん。
本当、お姉ちゃんに似なくて良かったなぁ…

『そう言えば、明希ちゃんの先生は男の先生なんだね』
「うん！かんた先生！あのね、かんた先生彼女いなくて可哀想なんだよー」

そう言ってかんた先生の話をペラペラし出す明希ちゃん。
最近の子はマセてるなぁ…なんて苦笑いしながらその話を聞いていた。


次の日も昨日と同じくらいの時間にお迎えに行く。

『すいませーん！お迎えに来ましたー！』

そう声を掛けるとまたあのかんた先生がにかっとした笑顔で近付いてきた。

「おかえりなさい！明希ちゃん呼んできますね」

そう言ってくるっとかんた先生が振り返ると部屋の扉からにやにやした顔でこちらを見る明希ちゃん。
ん？なんだ？

「かんた先生、明希ゆっくーり支度するからごゆっくり♡」

なんて子供らしくない笑顔を浮かべて部屋に戻る明希ちゃん。
かんた先生は何か分かったのか、顔を赤くして口をパクパクさせていた。

『？どうかしました？』
「あっ！いや！…妹さんに昨日お会いした時は明希ちゃんのお姉ちゃんかと思ったんですよね…」

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